2016年7月31日
ラバカ踏査を実施する調査員(アロチャ・マングル県ラノマインティコミューンにて)
松の造林に使用されていた跡地が住民の植林地となっている(アロチャ・マングル県アンディラノトビコミューン)
ユーカリ・カマルドレンシス(Eucalyptus camaldulensis)に発生している病気(アロチャ・マングル県ムララノクロムコミューン)
青年海外協力隊員との意見交換(アロチャ・マングル県ムララノクロムコミューン)
新対象フクタンでのプロジェクトの広報活動(ブングラバ県チンジョアリボイマンガコミューン)
住民によって使用されている改良かまど(ブングラバ県アンバトランピコミューン)
当初対象4コミューンでは、2015年より住民による活動の持続性の向上を目指し、エリア・マネージャーとローカル・トレーナーによる住民に対する直接モニタリングを実施しています。訪問した3コミューンの34世帯からの情報によると、住民が改良かまどの作り方を知らない場合、ローカル・トレーナーに支援を求める事例が頻繁に起きています。こうした住民の多くは、研修には参加したが実践しなかった者、或いは改良かまどの効果に疑念を抱いていた者とのことです。周辺住民が改良かまどを使用している状況を見て自らも使いたくなったものの、十分に技術を習得できていなかったため、ローカル・トレーナーを頼っているようです。
新規2コミューンでは、ライチ取り木の講師育成研修(ToT)が3回行われ22人(男性16人、女性6人)が参加、住民向け研修が27回行われ418人(男性233人、女性185人)が参加しました。さらに、改良かまどのToTが6回行われ19人(男性18人、女性1人)が参加、住民向け研修が16回行われ148人(男性64人、女性84人)が参加しました。
新対象2コミューンの世帯を対象として(全世帯数3,283)、これまでPRODAIREが実施した普及活動のインパクトを定量的に測定することを目的として、5月31日〜6月8日に質問紙調査を実施しました。対象地域の世帯リストからランダムに抽出した202世帯から回答を得ました。
現在、結果の分析中ですが、以下に速報値を報告します。
上記質問紙調査の対象202世帯を、2015/2016年の植林本数で層化して、各層より抽出した50世帯を対象として、6月11日〜16日に植林地踏査を実施しました。効率的に植林地を回り、時間の許す範囲で予備世帯の植林地の踏査も行った結果、57世帯の植林地踏査を実施できました。同植林地踏査の結果に基づいて、質問票調査の結果判明した新対象2コミューン全体の植林本数から、植林された木の生残数を求めました。その結果、2015/2016年に約94,000本、2014/2015年には約93,000本の植林がなされたことが推定されました。
7月18日、19日にラバカ調査を実施しました。2016年5月までに新対象2コミューンで研修が実施された38ラバカのうち、バイクでアクセス可能な28ラバカを踏査しました。ステークホルダーへのインタビューを通して、住民主体によるラバカ対策の持続性について評価しました。その結果、踏査した28ラバカの約68%で住民主体によるラバカ対策が持続的に実施されていることが明らかになりました。
農業サービスセンター(注)(CSA)に登録された講師によって、NGOスタッフとプロジェクトスタッフを対象に、プロジェクト立案に関する研修を実施しました。研修内容は、1日目は講義、2日目は演習を中心としたものでした。参加したスタッフからは、「非常に実践的で有用であった。プロジェクト終了後、自分に何が出来るか考えたい」とのコメントを得ました。
(注)ドナーに委託されたNGOが農民のニーズとサービス(研修・資金)機関を繋ぐサービスを提供している。
後述のUNDP/GEFプロジェクトであるMRPAとの連携活動に係る予算とToRの追加のため、アロチャ・マングル県で当初対象コミューンを担当するNGO Ho Avy Soaとの変更契約を締結しました。
2016年7月の研修活動については、来月のプロジェクトニュースで紹介します。
野田専門家から、ブングラバ県における植林及びラバカ対策について、PAPRiz2の金澤専門家及び協力隊員に対し、引継ぎのための説明を行いました。
6月のプロジェクトニュースで紹介しましたとおり、インパクト調査の結果やPMU会議での活動レビューを経て、ブングラバ県での普及システムの全体を見直しました。これを踏まえた本年12月末までの活動に関する合意書を、実施機関であるブングラバ県農業・畜産局、同県森林局と締結しました。
6月30日、7月1日に開催されたマニュアル委員会であがったコメントを反映し、同マニュアルの最終ドラフトを完成しました。同ドラフトの電子バージョンを環境省、農業省に提出しました。ハードコピー版は8月初旬に提出予定です。
また8月上旬には、両省の中央部局の関係者を集めて、マニュアルの説明会を行う予定です。
アロチャ・マングル県アンダインゴコミューンでのLIFEモデルの展開を担うNGOは、Ezaka Vaovaoに決定しました。同NGOは、PRODAIREの再委託先NGOとして、アンダインゴコミューンに隣接するアンディラノトビコミューンおよびラノマインティコミューンでのLIFEモデルの展開も担っています。
6月のプロジェクトニュースで紹介しましたとおり、当地在住友商事CSR活動の一環として様より、アロチャ・マングル県、ブングラバ県の対象コミューン住民の植林活動支援のために、代替ポットの供与をいただきました。同ポットの引渡し式は、9月1日に開催することを決定しました。
7月13日に、MRPA、PRODAIREと、MRPAのソフィア州での活動を実施するNGOのthe Peregrine Fund(TPF)の責任者が集まり、第1回合同モニタリング会議が実施されました。TPFの現場責任者より、「改良カマドに対する住民の関心が高く、研修実施前にデモンストレーションを見た150以上の世帯で、すでに改良カマドが作られている」ことや「多くの住民が植林に対しても非常に関心を示している」こと等の報告がありました。その報告を受けて、MRPA側より、「是非、PRODAIREと合同で現地のモニタリングを実施したい」と強い要望を受け、9月10日から1週間程度の予定で合同ミッションを実施することになりました。
6月のプロジェクトニュースで紹介しましたとおり、世銀の日本社会開発基金(JSDF)を活用したLIFEモデルの展開について検討しています。準備の第一段階として、同プロジェクトの実施組織と想定しているConservation International(CI)とTPFの両NGO関係者を集めて、PRODAIREのアプローチの説明や意見交換を行ったところ、両者からモデルの採用に関して良い感触を得ました。
今後、両NGOとの相互サイト訪問や意見交換を通じ、プロポーザルの内容等を具体化していく予定です。
EUのプロジェクトAFAFI NordにおけるLIFEモデルの展開について協議を進めています。9月以降に、AFAFI Nord のサイトへのPRODAIREとの合同ミッションを行う予定です。