2023年1月27日
2022年7月下旬から8月中旬にかけて実施された教員研修では、MAKMur活動のひとつとして導入を目指す「学級会」の実施方法を学びました。その後、パイロット小学校15校のクラス担任の先生方は、各校の校長や副校長との話し合いに基づき、4週間から6週間かけて、1回につき30分の「Perbincangan Kelas」と呼ばれる学級会の試行を実施しました。
「子どもたちがミーティングをする」という活動に馴染みのない先生方も多く、大きなチャレンジとなりましたが、教員研修の内容を生かして工夫しつつ、教室の美化といったテーマについて話し合う学級会の場が設けられました。
試行を実施した後、各校の先生方に活動に関するアンケートを記入してもらい、オンラインによる振り返り報告会を行いました。良かった点、難しかった点は下記のとおりです。
良かった点
・生徒がクラスメートの前で発言する機会を得ることができる
・生徒の様々な意見や考えを尊重することができる
・生徒の社会性や対人スキルが向上する
・生徒が自信を持ち、楽観的で意欲的な性格になる
・生徒がより幸せを感じることができる
・担任の先生が生徒をよりよく知ることができる
難しかった点
・低学年の児童(特に小学校1年生と2年生)は、与えられた説明を理解するのに時間がかかったり、担任からのサポートが多く必要となったりする
・受動的な生徒の巻き込み方が難しい
・欠席や遅刻をする生徒がいるために、割り当てられた時間に行えない
・30分では短すぎる
報告会に参加した日本人専門家からは、先生方が工夫して学級会を開始したことへの賛辞と共に、受動的な生徒や意見を言わない子が話をした時にポジティブに励ます、低学年に対しては取り扱う内容を簡単にする、遅れてくる子に対しての解決策について話し合いの場を設ける、といった助言がなされました。また、難しかった点全体に対して、すぐに教員が介入したり手順を指示したりするのではなく、生徒同士の話し合いがうまくいかない時は失敗をおそれず挑戦した結果であると捉えて、次はどうしたら良いか考えることが子どもたちの主体性を育て、成長の機会となる、という観点を示しました。
今後は、この試行の結果や先生方の意見を元に、より使いやすいツールキットに更新し、MAKMurの原則とマレーシアのそれぞれの学校や学級の文脈に沿った実践や活動に取り組んでいきます。
学級会の様子
学級会の様子