プロジェクト概要

プロジェクト名

(和)アフリカ交通人材育成プロジェクト
(英)Project for Capacity Development of Human Resource in Transport Sector for African Countries

対象国名

モロッコ

署名日(実施合意)

2017年10月11日

協力期間

2021年5月6日から2024年11月5日

相手国機関名

(和)設備・水省
(英)Ministry of Equipment and Water

背景

モロッコの道路および港湾セクターにおいては、設備・水省(MEE)が「国家ロジスティックス開発戦略」や「国家港湾戦略2030」といった政策文書を策定し、道路・港湾を含む運輸インフラの整備を実施しており、特に近年、MEEは高速道路網の整備や国際貿易港の計画等も積極的に進めている。また、同文書に基づきインフラの運営維持管理等に関する人材育成も実施しており、MEE傘下の道路および港湾関連政府機関は、これまで自国にて培ったインフラ整備や人材育成の経験を活用し、アフリカ諸国に対する南南協力を実施している。これにあたり、より効果的な協力を行うためには、対象アフリカ諸国からの協力ニーズを的確に分析し、それに適合した協力を策定・実施し、効果を検証し、その後の支援内容に反映させるといった能力が必要となるが、ニーズに合った人材育成の実施手法の強化、また研修の計画から評価に至るプロセスの実践を通じた能力向上について、MEEから我が国に支援の要請があった。
他方のアフリカ諸国においても、道路および港湾インフラ整備は計画的にされてきており、これに伴い、運営維持管理、必要なインフラの設計、機械操作等に関する人材の不足が次なる課題となっている。これら人材育成ニーズの高まりに対しては、地理的近接性や言語等における共通性を有するモロッコによる研修実施は合理的かつ効率的であり、また、モロッコのみならずアフリカ諸国の同セクターにおいてハード面・ソフト面ともに豊富な協力実績を持つ日本が連携することに優位はあり、日本、モロッコ、アフリカ諸国の三角協力に寄せられる期待は大きい。本プロジェクトは、モロッコの道路および港湾セクターに係る実施機関の研修能力を高めながら、これら機関の経験や知見を活用しアフリカ諸国の同セクターに係る人材育成を図り、モロッコ政府の政策及びアフリカ諸国の人材育成ニーズに応えることを目指す。

目標

上位目標

対象アフリカ諸国における関係機関の道路・高速道路・港湾の開発・管理・運営能力が、日本、モロッコ及び対象アフリカ諸国との三角協力により強化される

プロジェクト目標

日本、モロッコ及び対象アフリカ諸国との三角協力により、対象アフリカ諸国における道路・高速道路・港湾セクターの人材育成に関するモロッコ実施機関の能力が強化される

成果

1.対象アフリカ諸国の人材育成に関するモロッコ高速道路公社(ADM)アカデミーのマネジメント(管理・運営)及び教授能力が向上する
2.対象アフリカ諸国の人材育成に関する道路保守建設機械訓練センター(IFEER)のマネジメント(管理・運営)及び教授能力が向上する
3.対象アフリカ諸国の人材育成に関する港湾研修所(IFP)のマネジメント(管理・運営)及び教授能力が向上する
4.道路・港湾セクターにおける人材育成のための南南協力戦略文書がモロッコ政府内、対象アフリカ諸国、日本及び国際関係機関に共有される

活動

1-1.対象アフリカ諸国における、高速道路セクターの課題をレビューし、研修ニーズを確認する
1-2.研修計画及び実施計画を作成する
1-3.研修生の募集、選考プロセス、ロジスティックスを改善する
1-4.研修モジュール及び教材をレビューし、改訂する
1-5.道路・高速道路構造物分野のモロッコ人講師を育成する
1-6.事後研修評価を含む、研修モニタリング・評価システムを改善する
1-7.活動1-6で改善されたシステムを用いたモニタリング・評価を実施する
1-8.対象アフリカ国に対し、モロッコにて研修を実施する
1-9.研修生が実施する活動のフォローアップのために、必要に応じて、実施機関から対象アフリカ諸国にモロッコ人講師を派遣する

2-1.対象アフリカ諸国における、道路セクターの課題をレビューし、研修ニーズを確認する
2-2.研修計画及び実施計画を作成する
2-3.研修生の募集、選考プロセス、ロジスティックスを改善する
2-4.研修モジュール及び教材をレビューし、改訂する
2-5.橋梁維持管理分野のモロッコ人講師を育成する
2-6.事後研修評価を含む、研修モニタリング・評価システムを改善する
2-7.活動2-6で改善されたシステムを用いたモニタリング・評価を実施する
2-8.対象アフリカ国に対し、モロッコにて研修を実施する
2-9.研修生が実施する活動のフォローアップのために、必要に応じて、実施機関から対象アフリカ諸国にモロッコ人講師を派遣する

3-1.対象アフリカ諸国における、港湾セクターの課題をレビューし、研修ニーズを確認する
3-2.研修計画及び実施計画を作成する
3-3.研修生の募集、選考プロセス、ロジスティックスを改善する
3-4.研修モジュール及び教材をレビューし、改訂する
3-5.港湾分野のモロッコ人講師、専門家及びC/Pを育成する
3-6.事後研修評価を含む、研修モニタリング・評価システムを改善する
3-7.活動3-6で改善されたシステムを用いたモニタリング・評価を実施する
3-8.対象アフリカ国に対し、モロッコにて研修を実施する
3-9.研修生が実施する活動のフォローアップのために、必要に応じて、実施機関から対象アフリカ諸国にモロッコ人講師を派遣する

4-1.道路・港湾セクターにおける南南協力に関するモロッコの政策文書を収集・分析する
4-2.対アフリカ南南協力に関し、道路・港湾セクターにおける人材育成戦略文書を完成させる
4-3.プロジェクトの成果を波及し、南南協力を促進させるために、広域セミナーを開催する

投入

日本側投入

1)専門家派遣(計11名)
道路分野(道路維持管理、橋梁維持管理、高速道路計画・管理)、港湾分野(港湾管理・運営、港湾荷役機械)、研修計画、モニタリング・評価、業務調整、機材調達支援
2)国別研修の実施
3)研修用機材供与:道路橋梁点検機材、建設機械操作シミュレーター、荷役機械操作シミュレーター等

相手国側投入

1)カウンターパート(C/P)の配置
2)ADMアカデミー、IFEER、IFPの研修施設及び専門家(講師)の提供
3)各実施機関におけるプロジェクトオフィスの提供
4)その他(C/P用の国内交通費等)