ミャンマー初、メディカルエンジニアの育成を開始

2018年6月1日

本プロジェクトは、2018年5月より、ミャンマーのヤンゴン医療技術大学(UMT-Y)において、同国で初となる、メディカルエンジニア(注1)の教育コースの開設に協力しています。6月1日、UMT-Yにおいて開講式を開催し、メディカルエンジニア育成のための1年間の教育コースが始まりました。コースでは、公益社団法人日本臨床工学技士会(JACE)及び一般財団法人臨床工学国際推進財団から派遣される臨床工学技士(注2)の講師が、講義・実習指導の支援を行い、今後5年間に渡り、約100名のメディカルエンジニアを育成する予定です。

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開講式で挨拶するMyint Htwe保健スポーツ大臣

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開講式に出席するコース受講生たち

【画像】開講式の出席者たち

ミャンマーでは、近年、高度な医療機器が積極的に導入され、求められる管理技術も高度化しています。しかし、医療機器の保守管理予算も人材も十分ではありません。質の高い医療サービスを提供するためには、患者の安全・感染管理、経済的合理性の観点からも、医療機器が適切に保守管理・運用されることが不可欠であり、本協力の教育コースで育成された人材が医療現場で活躍することでミャンマーの医療水準の向上に貢献することが期待されています。

本プロジェクトは、ミャンマーにおいてメディカルエンジニアの組織的な教育コースを設置する初の試みです。そのため、JICAの協力では、教育コースの運営のみならず、ミャンマー人講師の育成にも取り組みます。優秀な人材を日本の臨床工学技士教育機関や医療機器メーカーで受け入れ、帰国後、コースの講師とする計画です。また、JACEのほか、国立大学法人岡山大学の協力も得て、メディカルエンジニアの資格制度の構築にも取り組みます。

本協力の実施に際しては、教育コース実習への機器・指導人材の提供、日本での研修・視察の受け入れなど、経済産業省や日本の医療機器メーカーとも連携します。ミャンマーの人材が日本の医療機器に触れる機会を多く設けることで、官・民による医療機器ビジネス展開にもつながることが期待されます。

(注1)医療機器を安全、適正に使用・維持管理するための専門医療人材

(注2)医療機器の専門医療職(国家資格)。病院内で、医師・看護師や各種の医療技術者とチームを組んで生命維持管理装置の操作などを担当するほか、医療機器の保守・点検を行う。ミャンマーで育成するメディカルエンジニアは、臨床工学技士の業務のうち、医療機器の保守・点検を担当する。