プロジェクトの活動紹介 パイロット自治体による経験共有セミナー

2023年6月9日

参加型地方復興プロジェクト(Project on Participatory Rural Recovery:PPRR)は、本プロジェクトにて策定する『参加型地方復興ガイドライン』を用いて、よりよい復興(Build Back Better、BBB)を実現するための能力強化を目標として2019年9月に始まりました。上記目標に向けて、次の3つの成果を達成するために、様々な活動を展開しています。
成果1:パイロット自治体で、参加型のプロセスを通じて復興の優先課題が特定され、自治体の開発計画の中に取り入れられる。
成果2:パイロット自治体で、コミュニティ復興パイロット事業を推進するための仕組みが整備される。
成果3:参加型復興ガイドラインが策定され、他の地方自治体に共有される。

今回は、2023年1月にゴルカ郡(1月20日)とシンドパルチョーク郡(1月28日)で実施された経験共有セミナーを紹介します。当セミナーは、上記のプロジェクト目標の達成に向けた各成果の進捗とそこから得た教訓を郡内で共有する目的で、本案件の実施機関である国家防災庁(National Disaster Risk Reduction Management Authority/NDRRMA)と各郡の2パイロット自治体が共催しました。セミナーには、それぞれの郡の全ての地方自治体(市と村)の長や関連職員、並びに郡や州政府の代表が多数参加しました。

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ゴルカ郡セミナーの参加者

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防災庁から参加したプロジェクト・ディレクターとプロジェクト・マネージャー

NDRRMAによる本プロジェクトの紹介とセミナー目的の説明に続いて、各パイロット自治体からの成果1に関して、復興や防災の優先課題を中期計画・年次計画に反映したか、またその際に女性や社会的弱者に焦点を当てた参加型の計画策定プロセスを重視したことなどが共有されました。また、成果2のコミュニティ・レジリエンス・プロジェクト(Community Resilience Projects/CRP)の例として、3つのコミュニティ・グループの代表が、CRP活動によってもたらされた生計回復効果やグループ内外での関係性の変化等について説明しました。また、最後にNDRRMAから、成果1と2の経験をまとめた『参加型地方復興ガイドライン(案)』の共有が行われ、今後のガイドライン最終化に向けて参加者からの継続したコメントが求められました。

参加者からは、CRP活動の詳細や経済的効果に関する質問や、復興や防災のイシューを反映した計画策定に関して高い関心が寄せられました。また、パイロット自治体の市長・村長からは、JICA-PPRRプロジェクトへの感謝の言葉が述べられると同時に、各自治体での活動の持続可能性の確保とパイロット地域以外への更なる拡大展開に対する意欲が示されました。加えて、参加した他の自治体からは、NDRRMAとJICAに対して同様の支援を期待する声も多く聞かれました。

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シンドパルチョーク郡セミナーの参加者

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CRP活動の紹介をするコミュニティ・グループメンバーと彼らを支援する区長