CITY-UP! オープンソースGISソフトウェアQGISでデータ編集研修を実施しました

2023年7月5日

本プロジェクトでは、カウンターパートであるスリランカの都市開発庁(Urban Development Authority, 通称UDA)の内部組織、都市調査センター(Urban Research Centre, 通称URC)のメンバーを中心に、UDA職員を対象とした約1年間に渡る能力向上のための研修を実施しています。その一環として、オープンソースGISソフトウェアであるQGISによるGISデータ編集の研修を実施しました。

GIS(地理情報システム)は、都市計画において、地図作成、空間分析、3Dビジュアライゼーション、意思決定支援、シミュレーションなど様々な場面で活用されています。また、GISを活用することで、都市計画に必要な情報を効率的に収集し、分析することができます。しかしながら、GISデータの品質が低い場合は、解析することができなかったり、信頼性の低い解析結果を得てしまう可能性があります。

第1回目の研修では、GISデータの質の向上を目的として、エラーの無いGISデータの作成方法を中心にして、QGISの基本的操作も学習しながら行いました。

エラーが残ったままのGISデータというのは、実際のところ結構多いのが現実です。そのため、今回の研修では、「GISデータの編集環境の設定」→「GISデータを編集」→「自分で入力したデータのエラーチェックを行う」→「エラーがある場合は、エラークリーニングを行う」→「本当にエラーが全部消えたのかチェック」→「エラーが残っていたら再度クリーニング」という一連の作業を中心としてハンズオン研修を行いました。

この研修は、TOT(Training of Trainers)方式を採用しました。まず、カウンターパート機関であるUDAのキーメンバーにTOT研修を実施。その翌週に、TOT研修に参加した人が講師やサポーターとなって、ほかのUDAスタッフに研修を実施するというものです。 他者に教えるということは、十分に研修内容を理解する必要があります。そのため、理解が不足していると感じたTOT対象のメンバーは、研修時間外にJICA専門家のところに質問に来て理解度を高めていました。また、その理解が難しかったところを講師になったときに丁寧に説明できていることで、スキルの習熟度を客観的に確認することもできました。 このTOT方式はUDAのカウンターパートは初めての経験でしたが、研修後のアンケートには、「TOT方式はよかった、効果的である」や「TOTのアプローチは非常に効果的で、参加者の学習意欲と実際にQGISを業務で使うことを促した」と感想があがっています。

今後のUDAのGISデータの質の向上、GISを用いた都市空間の分析に期待し、今後も研修を継続していきます。

①TOT研修中の様子その1(UDAのキーメンバーのための研修)の画像

①TOT研修中の様子その1(UDAのキーメンバーのための研修)

②TOT研修中の様子その2(UDAのキーメンバーのための研修)の画像

②TOT研修中の様子その2(UDAのキーメンバーのための研修)

③TOT研修中の様子その3(JICA専門家によるUDAのキーメンバーを対象とした研修)の画像

③TOT研修中の様子その3(JICA専門家によるUDAのキーメンバーを対象とした研修)

④TOT研修に参加したUDAキーメンバーによる他のUDAスタッフを対象とした研修の様子の画像

④TOT研修に参加したUDAキーメンバーによる他のUDAスタッフを対象とした研修の様子

⑤TOT研修に参加したUDAキーメンバーによる他のUDAスタッフを対象とした研修の様子(GISセクションのメンバーが実際に直面したGISデータエラーがあるとどんな問題があるのか、実際のデータを使って説明)の画像

⑤TOT研修に参加したUDAキーメンバーによる他のUDAスタッフを対象とした研修の様子(GISセクションのメンバーが実際に直面したGISデータエラーがあるとどんな問題があるのか、実際のデータを使って説明)