CITY-UP!シンガポールに学ぶ!第3国視察を行いました!

2023年8月31日

スリランカ国都市開発計画能力強化プロジェクト(以下、本プロジェクト)のカウンターパート期間であるスリランカの都市開発庁(Urban Development Authority、以下UDA)30名に対し、2023年6月19日(月)~6月22日(木)にシンガポールでの第三国視察を実施しました。

本プロジェクトは、スリランカの都市計画の策定やその運用を担うUDAの内部に設立した都市研究センター(Urban Research Centre、以下URC)のメンバーを対象に、ICT技術等を用いた都市計画技術の導入を図ることで、高品質な都市計画を効率的に策定し適切に運用することを目指しています。シンガポールは、都市再開発庁(Urban Redevelopment Authority、以下URA)が中心となり世界初の「スマート国家」を目指した取組を進めている国家であり、先端技術を都市計画に適用している事例から様々な学びを得ることを視察の目的の一つとしました。

シンガポールの都市計画マスタープランや土地利用計画の策定機関であるURAでは、シンガポールの計画システムや都市開発プロセス、スマートプランニングについての講義を受けました。また、一般市民にも開放されているSingapore City Galleryのギャラリーツアーにより、シンガポールの都市計画の歴史や最新の取り組みを紹介頂く事が出来ました。視察員は、URAがその他関係機関や事業者との間での役割分担と、互いの機関が連携して計画策定や都市開発事業を実施していること等の学びを得ました。

また、「スマート国家」を目指す取り組みの一つであり、デジタル主導の運営とサービスのコンセプトに基づき計画されているプンゴル・デジタル地区の主導機関であるJTC Corporationを訪問し、計画が策定された経緯や今後の都市運営についての説明を受けました。地区内で計画されている最先端のスマートテクノロジーと都市ソリューションによる開発は、刺激や新たな気付きを与えてくれ、参加者全員にとって非常に興味深い内容でした。

その他にも、シンガポールの歴史保全地区の視察、MRT、LRT、バスなど公共交通を利用し結節点となる駅や周辺に広がる住宅地の視察、公共交通にかかる技術を紹介するSingapore Mobility Galleryの視察、政府系コンサルタント企業であるSurbana Jurong社とのマスタープラン策定にかかる議論等を行いました。

視察員は帰国後に視察報告会を開催し、第三国視察での成果を発表しました。シンガポールでの成功事例をそのままスリランカに移入することはできませんが、視察員は視察で得た学びのスリランカでの活用を模索していました。今後本プロジェクトでは、パイロット事業での計画策定技術の試行を予定しているため、本視察で得た学びを踏まえながら取り組んでいきます。

UDAからの視察団

UDAからの視察団

URAでの講義の様子

URAでの講義の様子

Singapore City Galleryのギャラリーツアー

Singapore City Galleryのギャラリーツアー

プンゴル・デジタル地区の開発について講義を受ける様子

プンゴル・デジタル地区の開発について講義を受ける様子