2019年7月1日
6月16日~7月1日
本プロジェクトでは、遺伝子バンクシステムの一要素として、凍結精子保存を行っています。昨年度は、ラオカイ、ハザン、ライチョウの3省から3品種、15頭の在来ブタを調達し、5,329本の凍結精子ストローを作製し、すでに国立畜産研究所の凍結精子バンクに保存しています。今年度は、ビントアン、クアンガイ、クアンニンの3省から新たに3品種の在来豚の凍結精子ストローの作製を目指しています。
6月16日~7月1日にかけて、プロジェクト・チームがビントアン省にて凍結精子の作製を実施しました。通常であれば、農家から調達したオスは1ヶ月の検疫期間を経て、ハノイのセンターに輸送され、精液採取を行ないますが、アフリカ豚コレラが拡大する中、生体のブタの移動が制限されているため、今回は現場で精巣上体からの凍結精子の作製を試みました。現場には凍結用の設備や機材がないため、すべてハノイから持ち込み、臨時のラボラトリーを設置しての大掛かりな作業となりました。プロジェクト・チームは、5頭のオスから784本の凍結精子を作製、液体窒素タンクに入れてハノイへ輸送後、無事研究所の凍結精子バンクへ保存しました。凍結精子の運動性は平均30%、多いもので40%近くとなっており、品質の上でも問題がないことが確認されました。
残るクアンガイ、クアンニン省についても、同様の方法で作業を行います。
文責:山岸信子(プロジェクト調整員)
作製した凍結精子ストローを液体窒素タンクに保存しました
作製した凍結精子ストローを液体窒素タンクに保存しました
農家で対象となる雄豚を確保・健康等のチェックを行います
と殺後に精巣(左右1対)ならびに精巣上体(中央1対)を摘出しました
作製した凍結精子ストーを保存しました