ベトナムの高等教育セクターは、進学率は約30%(2020年)と拡大してきているが、大学の研究成果の社会への応用や地域貢献が限定的であることが課題で、ベトナム政府は大学の教育・研究能力の強化に加え、産官学連携の促進を目標に掲げている。
この課題は同国南部のメコンデルタ地域にも当てはまる。同地域は、ベトナムの輸出量のうち米は95%、果物は70%、水産物は75%を占める産地であり、その輸出額はGDPの20%を担い、ベトナムの社会経済及びメコン近隣諸国にとって重要な地域となっている。同時に同地域は、世界で最も気候変動の影響を受ける三大デルタの一つであり、気候変動による温暖化、高塩分化、湿潤化等…