【イベント報告】アフリカ系漫画家とお笑い芸人が広島でトークをした結果 —西アフリカ編

2019年4月9日

高らかなジャンベの音色に誘われて

アフリカの民族衣装を着てジャンベ演奏中の鳥谷泉水さん

 3月17日(日)広島駅前のエディオン蔦屋家電にて、カメルーン人漫画家の星野ルネさんとカメルーンハーフのお笑い芸人ぶらっくさむらいさんをゲストに迎え、アフリカトークイベントを開催されました。
 イベントに先立ち、10日(日)からエディオン蔦屋家電3Fにアフリカ関連の書籍や小物を紹介するアフリカコーナーが設けられ、また、15日(金)からは1Fフードグランニチエーにてアフリカの食を紹介するアフリカフェアを行っていただき、会場全体が、アフリカの雰囲気に包まれました。
 17日(日)、トークイベント直前には、広島文化学園大学学芸学部音楽科3年生、鳥谷泉水(とや いずみ)さんによるジャンベ演奏が行われました。ジャンベとは、西アフリカ起源の片面太鼓です。鳥谷さんによる力強い太鼓の音が響いた途端、会場周辺のお客さんたちが一斉に振り返り、最初は少し遠巻きに見ていましたが、徐々に太鼓の周辺に集まり、太鼓のリズムと音色を楽しんでいました。

ゲスト2人によるアフリカトーク!

会場を爆笑の渦に巻きこむぶらっくさむらいさん

 ジャンベの余韻が残る中始まったゲストトーク。ゲスト2人の自己紹介後は、早速ぶらっくさむらいさんによるミニお笑いライブです。SDGsファシリテーターの資格を持つ、ぶらっくさむらいさん。ゴミ分別というちょっと真面目なテーマでも、軽快な歌とテンポに乗せて笑いを誘います。続くTAKINO BEST(多機能ベスト)のネタでは、会場を更にドッと笑いの渦に巻きこみました。
 続いてのトークでは、日頃から仲の良い星野ルネさんとぶらっくさむらいさんの掛け合いがバッチリ。
 ルネさんのお母様が、日本の動物園でニシキヘビ等をみて、おいしそうだからと普通に注文しようとした逸話や、日本人が思っている程アフリカではライオンや象に会えるわけではない話、外見がもたらす日本での様々なエピソードが漫画と共に語られました。
 また、日本人はアフリカ系の人の外見の区別がつかないが、アフリカ系の人も日本人やアジア系の外見の区別がつかない、という話からは、人種に限らず、母親が口では怒っていなくても家族だけには怒っているとわかる、といった身近な例とともに、「慣れ」ることが大事だと、ルネさん。
 ぶらっくさむらいさんからは、実はイベント最初のお笑いライブで、ハーフあるあるネタをやろうかと思ったこと、しかし来年は東京オリンピックもあり、外見が違っても日本語ペラペラという人はこれから珍しくなくなるし、珍しくなくなってほしい、と思って外見のあるあるネタはやめた、という言葉があり、「なるほど、本当にそうだなぁ」と皆さん、頷いているようでした。

カメルーン在住経験者も交えて

3人のクロストーク

カープ帽姿になったルネさん

 実はカメルーンに行ったことがないカメルーンハーフのぶらっくさむらいさん。第二部では、カメルーンで2年間活動していた青年海外協力隊経験者が加わり、ゲスト2人とのクロストークを展開しました。
 カメルーンといえば!と始まったトークの最初のテーマはファッション。カメルーンのファッションアイコンとして名高い大統領夫人やセレモニーでの女性たちの服装、アフリカ女性の髪型へのこだわりを例に、カメルーンのオシャレや身だしなみについて語られます。ルネさんも、ご自分のお母さまが子供たちの身だしなみに厳しかったエピソードを披露。ルネさんがズボンからシャツを出しているのを見つけた時の、お母さまの「ルネー!アンティラージュ(ビシッとしなさい)!!」という絶叫ぶりを真似て、笑いを誘います。

 法事の際に親族一同が、故人の顔がプリントされたシャツを着て、お祝いをするという、日本人から見たらビックリな話では、亡くなった人は人生の役目を終えて次のステージに行くので、おめでとう!とお祝いをするのだという理由が語られ、日本と違っているけど何だかいいなぁ、とお客さんも感心しているようでした。
 スポーツの話では、サッカーが有名なカメルーンで、実は野球や南武道などの武術も行われていること、武術の先生の前ではカメルーン人の生徒たちがみんな規律正しくとても素直なことが紹介されると、ルネさんから、カメルーンでもドラゴンボールや忍者が人気だからではないかと、日本とカメルーンの繋がりを感じるコメントがあり、カメルーンがますます身近に感じられました。
 また、日本より遅れていると思われがちなアフリカですが、物がない分アイディアがあること、リサイクル・リユースは日本以上に出来ており、工夫する力は日本人の方が見習うところが多い部分もあることや、2か国語以上話せるマルチリンガルが多いことに、ハッとした来場者の方も多くいたようでした。
 ルネさん達の、「アフリカに行ってみたいと思った人!」との声には来場者の多くが手をあげるなど、来場者にとって、アフリカの魅力を知るイベントとなったようでした。JICA中国では今後も市民の皆様に世界を身近に感じて頂けるイベントを実施していきますので、お楽しみに!