ケニア長期研修員(岡山大学)からのメッセージ/2016年度国別研修ケニア「植物科学/作物開花制御学」

「最前線で仕事をしていきたいです!」

2019年9月25日

「終わりよければ全てよし」

カルシウム分析のための実験準備

「“All’s well that ends well”(終わりよければ全てよし)」ということわざがあります。3年前よりJICAの長期研修員(博士課程)として岡山大学で学んできて、良い終わりを迎えられたことに満足しています。
岡山大学で、トマトの新しい生産システムに関する知識や実験方法を学びました。大学の学生生活はフィールドワークと研究室での活動で多くの時間を過ごしました。博士課程の取得は容易ではありませんでしたが、精一杯頑張る中でトマトの農法の実務能力や植物の生理学と栄養に関する知識が向上しました。素晴らしい指導教員の先生方のお陰で貴重な知識と経験を得ることができました。また、博士課程を卒業するために、計画とその実行に必要な辛抱強さや勤勉さ、時間管理能力なども身につけることができました。

帰国後、「最前線で仕事をしていきたい!」

データ収集のためにトマトにラベルを付ける

私は農家が農業のすべての中心であると強く考えています。そのような考えから、帰国後もケニアの農家の生産を改善できる方法について、研究を続けていきたいと思います。学んだ方法をすぐに農家の方々に伝えられるように、最前線で仕事をしたいです。例えば、実演やフィールドワーク、展示会などを通して、先進的な技術を農家の方々に伝えたいと思います。私は、研究で得た知識と実際にフィールドワークで経験することの繋がりは重要なことだと考えています。そのような点で、岡山大学での研究経験はとても役に立っていると思います。
また、ケニアの大学職員として、帰国後の仕事については、作物生産の知識を伝えるだけではなく、学生に実践的な技術を教えることにも取り組みたいです。そして、彼らが卒業後にはすぐにその技術を農家の方々と共有できるようになれば素晴らしいことだと思います。

「一生の友達との出会い」

矢掛の農家秋祭り

心残りなことは、実験の忙しさで日本語を学べなかったことです。しかしその一方で、英語を身につけたい日本人の友人をたくさん作りました。そのお陰で、私自身もいくつか日本語のフレーズを覚えることができました。日本での3年の生活の中で、日本人は礼儀正しく、勤勉で、親切であると感じました。特に、お互いに気を配り合うこと、時間を守ること、列に並んで待つ姿勢などが印象に残りました。最後になりますが、岡山で出会えた農家の方々と一生の友達になれたことは、私の宝物であり、一生忘れないかけがえのないものになりました。