【実施報告】JICA SDGs × キッズ万博

2022年9月21日

JICA SDGs × キッズ万博 開催!

米ぶくろのマイバック作り。アップサイクルについても学びました。

9月3日(土)、JICA SDGs×キッズ万博をひろしま国際プラザで開催しました。昨年に引き続き、2回目となるSDGsについての子供向けイベントですが、今回は“キッズ万博”と題して、日本、インド、ペルー、南スーダンの4か国の取り組みについて学びます。

最初にウォーミングアップとして、全員でクイズに挑戦しました。
「600万トン(1年間)」これは何の重さでしょう?次の3つの中から選んでください。

  (1)世界で捨てられる食べ物の量 
  (2)日本で捨てられる食べ物の量
  (3)日本で捨てられるゴミの量

見学されていた保護者の皆さんも一緒になってクイズに参加してくださいました。600万トンと言っても、どれくらいの重さなのか、なかなかピンときません。「600万トンは、アフリカゾウ100万頭くらいの重さです!」とヒントがありました。皆さんの回答は3つに分かれましたが、正解は(2)、日本で捨てられる食べ物の量です。こんなにたくさんの食べ物が無駄になっているのだと、みんな驚きを隠せませんでした。

女性と環境にやさしいトイレって?

環境にやさしいトイレの仕組みは?汚れた水を濾過すると、見事にきれいになりました。

ウォーミングアップの後は、インドで行われているJICAの取り組みを学びました。インドでは古い習慣から家の中にトイレがない家庭も多く、地域によっては、遠く離れた共同トイレを使用したり、屋外で排泄しなくてはなりません。そのため、衛生上問題があるのはもちろん、女性が危ない目にあったり、夜のトイレを我慢して体をこわしたり、学校にも行かなくなるという問題があるそうです。そこでJICAでは、鳥取県米子市にある大成工業と協力して、汲み取りも電気も必要ない、環境にやさしい公衆トイレをインドに作るプロジェクトを実施しました。当日は、このトイレの濾過システムを説明するため、濾過の実験を行いました。子ども達は積極的に実験を手伝ってくれたり、実験装置の近くまで来て、食い入るように見ていました。さらに、このトイレは維持管理を行う人材として女性を雇うことで雇用も生み出します。JICAはそんなトイレをインド国内に約1,500基以上設置したことを伝えると、見学していた保護者からも、「こんな取り組みをされていたなんて初めて知りました。勉強になりました!」と感想があがりました。

米ぶくろのマイバック作り

次は、2つのグループに分かれて、日本とペルーの取り組みについて学びました。日本ブースでは米ぶくろを使ってマイバックを作りました。米ぶくろはとても丈夫で、捨ててしまうにはもったいない。 講師の指導のもと、みんな上手にバックを作っていました。このように、不要になったものに手を加えて、その物の価値を高めることを「アップサイクル」ということも学びました。感想を聞くと、「大切に使います!」と嬉しそうに答えてくれました。

初めて食べるアンチョビの味は?

初めてのアンチョビはどんな味?

ペルーブースでは、ペルー出身のJICA研修員ディエゴさんがみんなを迎えてくれました。ペルーではアンチョビがたくさん捕れること。そしてその多くは養殖魚の餌として日本に輸入されていること。また、ペルーの山岳民族のタンパク質不足解消のためにアンチョビを広めるJICAのプロジェクトについても分かり易く説明してくれました。説明が終わると、みんなでアンチョビを試食しました。「美味しい!」という子もいれば、「しょっぱい!」という子もいました。ディエゴさんはニコニコしながら、参加者の反応を楽しんでいました。

身近なところから平和を広げる

風船ゲームで楽しく平和について学びました。

最後は全員で南スーダンと平和について学びました。南スーダン出身のカミスさんがお国について紹介した後、みんなで風船ゲームを行いました。限られた数しかない風船を金や水、食料、石油などに見立て、3グループで取り合います。1回目は、誰とも話をしないでとにかく取り合いました。2回目、今度はグループ内で話し合いをして取り合いました。他のグループから奪ってもOKです。3回目には、他のグループとも話し合い、交渉ができます。3回目が終わって、カミスさんがみんなに感想を聞きました。「2回目は他のグループから奪えるので怖くて不安だったけど、話し合いや交渉ができる3回目は、安心だった。」「話し合いができる方が、取った風船の色や数が同じくらいだった。」子ども達の感想を聞いていたカミスさんは、「僕が言う事は何もありません。みんなとても良いことに気付いています。」と、とても嬉しそうでした。「相手と話し合うこと、コミュニケーションをとることは、平和的に問題を解決するための唯一の方法なのです。それを覚えておいてください。」アフリカ最長の紛争を経験した南スーダン。その南スーダン出身のカミスさんの言葉は、子ども達や保護者の皆さんの心にしっかりと届いたことと思います。

考えたよ!自分にできること

ペルーのディエゴさん。とても分かり易い英語で説明してくれました。
ありがとうございました!

すべての体験が終わると、「SDGsを叶えるために自分にできること」を書いて、写真を撮りました。書いていることはそれぞれ違いますが、みんなが継続することで、SDGsは達成できるに違いありません。この日の想いを胸に、達成に向かって頑張りましょう!皆様、ご参加ありがとうございました。