【JICA研修員の学校訪問レポート】東広島市立御薗宇小学校[広島県]

2022年10月14日

雨にもマケズ

9月27日(火)、6名のJICA研修員が東広島市立御薗宇小学校を訪問しました。この日は朝から雨で、研修員がバスに乗る頃には道路にも大きな水たまりができていました。雨の中、集合場所まで自転車で来た人もいて、靴や服が濡れています。そんな天気の中でもスリランカ、カンボジア、ミャンマーの女性3名とバングラデシュの男性は、しっかり民族衣装を着て来てくれて、皆さんの意気込みが伝わってきました。
学校に到着後、控室に通され、子ども達が迎えに来るのを待っていた時のことです。気が付くとバングラデシュのシャリフルさんが荷物を持って立っています。「子ども達が来るまで、もう少し待っていてくださいね。」と校長先生。小学校教育が専門のシャリフルさん、きっと早く子ども達と交流したくて待ちきれなかったのでしょう。微笑ましい1コマでした。

初めての和太鼓体験

児童の腕の振りを真似て太鼓をたたくカンボジアのピセトさん

いよいよ体育館で交流会が始まりました。まずは子ども達がスライドを使って小学校を紹介してくれました。入学式や運動会、修学旅行や地域の伝説など、日本語と英語で説明していきます。研修員も興味深そうに聞いていました。
学校紹介が終わると、子ども達による太鼓の演奏です。体育館いっぱいに響く和太鼓の音に、「和太鼓の演奏を聞いたのは今日が初めて」と嬉しそうなのはスリランカのガヤニさんです。演奏後には太鼓や琴の体験もさせてもらいました。教えてくれるのは、もちろん子ども達です。子ども達の腕の振りを真似て、とても上手に大太鼓を叩いていたのは、カンボジアのピセトさんです。男子児童に囲まれてとても楽しそうでした。

Let’s dance!

みんなでいっしょに“Let‘s dance!”

太鼓体験の後は、ペルーのディエゴさんによるダンス体験の時間です。音楽を流しながら、ステップ、腕、首、腰と順番に動きを学びます。最初はきちんと整列したまま、少し緊張気味に体を動かしていた子ども達も、ディエゴさんの明るい掛け声や陽気な音楽のおかげで、だんだん動きが滑らかになり、後半は、笑顔いっぱいでダンスを楽しんでいました。気が付くと、研修員や先生方も一緒になって踊っています。音楽やダンスには言葉をこえて交流できる力があるのですね。子ども達と研修員の距離が一気に縮んだように感じました。

お国紹介

資料を見せながら説明するミャンマーのサンモンさん

カンボジアのロニアット・アエックのミニチュアを弾く児童たち

ペルーのダンスで汗をかいた後は、いよいよお国紹介の時間です。子ども達が6グループに分かれ、研修員が1人ずつそのグループに入り、お国の紹介が始まりました。

ミャンマーのサンモンさんは、この日のためにカラフルなイラスト入りのスライドを作成していました。それを見せながら説明を始めると、子ども達が一斉にメモを取り始めます。サンモンさんの説明を聞き逃さないように一生懸命メモを取る姿に「予想はしていたけれど、日本の小学生は、とてもお行儀が良く、よく教育されていて感心しました。」と感想を述べていました。

「カンボジアで挨拶するときは、両手を合わせてお辞儀します。」と挨拶の仕方を教えてくれたのはポポさんです。日本でもお馴染みの合掌とあって、子ども達も難なく「チョムリアップ スオ(はじめまして)」と言いながら両手を合わせてお辞儀していました。カンボジアの木琴「ロニアット・アエック」のミニチュアも大人気で、「かわいい!」と嬉しそうに弾いていました。

交流が終わって帰りのバスの中でも、「日本文化に触れることができて、自国の紹介も出来て最高だった。」「とても楽しかった。次回もまた参加したい。」「今度は学校施設や授業風景も見てみたい。」と、みんな興奮冷めやらぬ様子でした。とても貴重な体験の機会をくださった、御薗宇小学校の皆様、本当にありがとうございました。