【JICA研修員の学校訪問レポート】広島県立戸手高等学校[広島県]

2022年7月28日

はじめての学校訪問

小雨の降る7月12日(火)、JICA研修員9名は福山市にある広島県立戸手高等学校を訪問しました。はじめて訪れる日本の高校に、研修員たちはワクワクしていました。学校でお国紹介をするため、研修員には事前に発表資料の準備をし、データを送ってもらっていましたが、高校へ向かう道中、バングラデシュのオビックさんとハッサンさんが「データを送った後にさらに手を加えたからぜひアップデートさせてほしい!」とバスの中で訴える場面も。日本の高校生へ自国を紹介したいという熱い思いをひしひしと感じました。

まずは名刺交換で交流

プレゼントしてもらった名刺で名刺交換

学校に到着すると同時に授業に参加!そこで研修員を待っていたのは、手作りの名刺を手にした生徒たちでした。「あなたの名刺を作りました。」と言って手渡された名刺は、研修員ひとりひとりのデザインも異なっており、どれも素敵。突然のサプライズプレゼントに研修員たちは嬉しそうでした。
授業では名刺交換をした後に、「共通点探しゲーム」をしました。趣味や家族構成など、お互いの共通点を探して、見つけることができたらポイント獲得、というものでした。パキスタンのナフェーさんは、同じグループの生徒にどんなスポーツが好きかを尋ね、自身との共通点を探しました。
「知ってる知ってる!私も好きです!」と声がするグループを覗いてみると、日本のアニメの話で盛り上がっていました。フィリピンのメグスさんが好きなアニメを高校生に聞いたようです。「日本の生徒と交流できて楽しかった!」とメグスさんも大満足。短い交流時間でしたが、終始楽しそうな笑い声が聞こえ、終了時には記念写真を撮るなど交流が深まりました。

盛り上がった、お国紹介

ベンガルトラを紹介中(バングラデシュ)

お国紹介のあとの集合写真

交流タイムの後は、いよいよお国紹介の時間です。8か国9名の研修員が順番に発表しました。
「デエル」という伝統衣装に身を包んだモンゴルのゾルザヤさんは、自身の衣装を見せながら「デエルは絹や綿から作られます。今日は夏用のものを着てきました。」と紹介しました。また、モンゴルの挨拶も教えてくれ、全員で「サイン バイナ ウウ!」と声に出して言ってみました。「響きがなんだかかわいい」との生徒からの感想にゾルザヤさんも嬉しそうでした。
ブラジルのパウラさんは「ブラジルの魅力はサッカーとサンバだけじゃないのよ!」と生徒を巧みに惹きつけます。サンパウロのリベルダージという町には宮島の大鳥居さながらの赤い大きな鳥居があるそうで、生徒も驚いていました。
ケニアのカズングさんは、自国の紹介を一通りしたあと「みなさんがオススメの日本文化を教えてください!」と逆質問。生徒から「着物です!」と声があがると「それは男性用もありますか?」とカズングさん。「もちろんあります。」との答えに「それでは次に戸手高校に来るときは着物を着てきますね。」と茶目っ気たっぷりにコメントしました。
研修員それぞれの熱意が溢れたお国紹介となり、当初の予定よりも時間がオーバーしてしまいましたが、念入りな準備の甲斐があり、真剣に聞いてくれる生徒の様子が嬉しかったようでした。

筝で日本文化を体験

筝曲部の講師と生徒に弾き方を教わりました

放課後は筝曲部にお邪魔し、箏(こと)の演奏を鑑賞しました。初めて目の当たりにする日本の伝統楽器に興味津々!演奏を聞いた後は実際に体験させていただき、その音色に魅了されたようです。ベトナムのダオミンさんは「とっても興味深い楽器です。今回の学校訪問で、自分の日本についての知識が劇的に増えました!」と感想を述べていました。行きの天気と打って変わって絵に描いたような青空の中、戸手高校を後にしました。帰りのバスの中で「とても楽しかった。月に一度学校を訪問したいくらいだ!」「もっと長く交流したかった。」と名残惜しそうな様子でしたが、非常に満足した訪問であったようです。
限られた時間の中で有意義な体験をさせてくださった戸手高等学校のみなさま、本当にありがとうございました!