「2019年度事業マネジメント研修」参加者のレポート

2019年6月4日

JICAではプロジェクトを実施する上で重要となるPCM(プロジェクト・サイクル・マネジメント)手法の習得を目的とし、事業マネジメント研修(基礎編・実用編)を開催しています。
プロジェクトデザインの作り方、モニタリング・評価の方法等をワークショップを通じて学んでいただく形となっており、特に、草の根技術協力事業を実施中、または提案を考えている方には効果的な研修です。
今回、JICA九州での「2019年度事業マネジメント研修」を受講された大崎町役場の嶽野清人氏にレポートを作成して頂きましたのでご紹介致します。

2019年度JICA九州での事業マネジメント研修を受講して

鹿児島県曽於郡大崎町役場
住民環境課 環境対策係
嶽野 清人

 今回、JICA九州において開催された「事業マネジメント研修(基礎編・実用編)」を受講させていただきました。4月の人事異動で住民環境課に配属された私は、草の根技術協力事業について右も左もわからず不安を抱きながらの受講になりました。そのような中、「基礎編」の研修が始まり、草の根技術協力事業の事業概要などの基本項目についての講義の後、ペンとポストイットを使ったグループワークが始まりました。グループワークでは事業マネジメント事例を使い、プロジェクト実施前に行う「問題分析」や「目的分析」、「プロジェクトの選択」を行いました。「問題分析」では、問題の要因を分解し樹形図に落とし込んで問題の構造を論理的に明らかにし、「目的分析」、「プロジェクトの選択」の作業通じ、目指すべき状態と解決する手段を第三者が見ても明確化してあるかが事業計画を作成するに当たって重要だということを学びました。問題を論理的に分析していく作業は、これまでのグループワークでは経験したことがなかったので、よい経験になりました。基礎編の内容は応募準備に最適だと思いますので、皆さん是非応募前に一度受講されて、その後に応募書類の作成を始められると良いと思います。
 研修2、3日目に行われた「実用編」では、事例を使って「モニタリング」、「指標のとり方」、「作業分解」、「リスクマネジメント」等を行い、プロジェクト実施の効果的な考え方や手法、実施タイミング等を学ぶことができました。これは実際に事業を展開していく中で一番重要なことなので、即、業務に活かせる研修になりました。
 また、講義の中で心に残ったことは、失敗体験や成功体験のきっかけや背景を知ることで、今後、活動する上で行かせる「学び」を抽出することができるということに気付かされたことでした。事業計画を作成し、活動を実行して報告する中で、実施団体が行う事業以外にも活かせる「学び」が生まれると考えると、感慨深いものを感じました。
 そして、この事業マネジメント研修は、JICA草の根技術協力を実施する関係者だけでなく、社会のためのマネジメント手法を論理的に考え、様々な視点から事業計画を立案し、それを着実に実行していく方法を分かりやすく教えていただける数少ない研修だと思いますので、様々な方が受講していただいて、より多くの「学び」に繋がってほしいと思います。この度は、このような素晴らしい研修の機会をいただき、ありがとうございました。