2016年10月2日
アジアのキャッサバ生産増の原動力は、単収増、つまり新品種開発努力の賜物です。そして、その裏には、ある日本人研究者の貢献があります。その研究者とは、1970年代からCIATキャッサバ研究プログラムに身を捧げた河野和男氏で、アジアのキャッサバ新種のほとんどは、同氏が導入した南米種との交配系統です。そんな河野氏やCIAT研究者が今も等しく共有するモットーは「研究や技術は、それを最も必要とする人々に届かなければ意味がない」。この熱い信念と努力により、アジアのキャッサバは、飼料、でん粉、バイオ燃料など用途を広げ、農家の貴重な現金収入源となり、それが更なる品種開発の原動力となりました。そんな技術開発の本拠地の一つが、タイにおける本事業のカウンターパート、ラヨーン畑作物研究センター(RYFCRC)です。プロジェクトでは早速、ベトナムとカンボジアのカウンターパートを同センターに派遣し、蓄積された栽培技術やディスクリプター(品種判別用ツール)制作のノウハウを移転しました。
キャッサバ・ディスクリプター(品種判別用ツール)制作風景
ディスクリプターの各要素となる部位(品種判別する際の目の付け所)
地中から掘り出した株でディスクリプター部位を確認する
最小限の長さの苗木で増殖効率を高める手法の研修
センター近辺のキャッサバ圃場にて
キャッサバ農家に話を聞く
キャッサバの葉の首飾りを付けた、ベトナム、カンボジア、タイの女性研修参加者