2017年1月16日
ポルトガルの詩聖カモンイスの詩「ここに地終わり海はじまる」は、当時「この世の終り」だった「大地の終り」が、コロンブスにより「新世界の入口」へと180度価値転換したことを意味します。では、目下「この世の終り」のような低迷相場に喘ぐ東南アジアのキャッサバ農家はどうでしょう? 彼らにとっての「コロンブスの卵」はあるでしょうか? そんな期待を胸に、ベトナム・ホーチミン市で開催された「世界デンプン会議」に出席しました。光明はいきなり訪れます。インドネシア企業が開発した「完全生分解性プラスチック」を手にした途端、これまでにない高いクオリティと性能に、会場の誰もが息を呑みました(No.88)。買物バッグ、ポリ袋、使い捨て手袋、エプロン、キャップ、シューズカバー、皿、コップ、食器、などなど。それらが全て、このデンプン由来の「完全生分解性プラスチック」に置き換わり、しかも、それがそのまま飼料や肥料になるのです。 私たちは、今まさに、まだ見ぬ「新世界の入口」に立っているのかもしれません。
ホーチミン市で開催された「世界デンプン会議」
キャッサバの単位面積当たりの収益性の高さを語るベトナム・キャッサバ協会のラン会長