ブータンでは、首都をはじめとする一部の市街地で鉄筋コンクリート建築や煉瓦建築がみられる以外、ほとんどの民家と公共施設が版築あるいは割り石積により建てられている。こういった伝統建築は地震に弱く、過去に、ブータン東部(2009年9月21日M6.1)とインド−ネパール国境地域(2011年9月18日M6.9)で発生した地震により、国内の多くの版築・石積建築が倒壊・半壊した。そのため、伝統建築物の耐震性能向上のための施策が不可欠との認識が官民に広がっている。
既に2009年の地震直後から、閣議決定により組織されたテクニカルワーキンググループなどが、版築・石積建築の耐震性能向上指針の作成を試みてき…