49.園田チーフアドバイザーからのメッセージ

2021年6月15日

2018年5月21日からチーフアドバイザーとしてMaWaSU2を主導してきた園田圭佑専門家が任期を満了し5月28日に日本に帰国しました。プロジェクト前半を振り返り、後半に向けてメッセージをいただきました。

2018年5月21日にプロジェクトが始動してから約3年の任期を終え、5月28日に日本へ帰国しました。プロジェクト当初の予算による専門家派遣の遅延と縮小から始まり、直近ではCovid-19による活動制限とイレギュラーな困難もありましたが、立ち上げからプロジェクトを軌道に乗せ、中間時点における再検証と後半戦の方針決定まで、当初目標としていたステップまでの役割は概ね果たせたかと思います。その間、大きな動きとしてはPDM変更(達成目標の大幅変更はOutput1-b水道開発基金のみ。その他は当初想定通りまたはそれ以上の成果を見込む。)、プロジェクト期間の延長、新規長期専門家投入の決定、コンサルタント活動体制の変更、コロナ対策本邦技術活用の実施(パイロットプロジェクト1.5バッチ)等がありました。PDM上では目立ちませんが、Output4水道教室への手洗いキャンペーン導入も大きなインパクトがあり、MaWaSU1から継続し向上を続けてきた活動の成果が生かされました。
本来であれば現時点でOutput1水道公衆衛生戦略、Output3技術基準(省令、指針)Output4水道事業ガイドライン改訂版のMPWT大臣決裁は終えている見込みでしたが、Covid-19の影響もありそれぞれもう一息という状況です。元々DWSには文書の大臣決裁の経験がほとんどなく、想像以上に各プロセスには時間がかかっています。今後様々な法制度整備を進めるためには、各文書に適切な精度を求めることはもちろんのこと、決裁プロセスの効率化、期間短縮も重要課題として取り組む必要があります。
現在中間時点において多くの成果が確認できますが、何より大きな成果としては2020年12月の総会開催の後、2021年1月に設立されたラオス水道協会(LWWA)です。協会設立前はラオス水道セクター全体に関する活動、全国を対象とした活動は全てDWSが取り仕切らなければならず、DWSのキャパシティからセクター改善の大きな制約になっていました。水道協会は日本水道協会(JWWA)と同様、研修や調査研究等の役割を担うため、DWSを含めた省庁の管理下にはあるものの、そのキャパシティの影響を受けず、また水道公社の知識経験を生かした積極的なセクター改善が期待できます。MaWaSU2で実施している一部活動を受け継ぎ、プロジェクト終了後も継続的に実施することも目指しており、これはプロジェクト後半戦の大きなテーマのひとつです。
Covid-19による退避一時帰国前まで、北部、中部、南部で開催地を変え3回ずつ計9回実施したMini workshopも、MaWaSU2の能力強化における最も基本となる活動であり、成功裏に終えられたことは大きな成果です。全国の水道公社を巻き込み、かつ3パイロット水道公社が講師役となる最もカウンターパート(C/P)が主体となる活動です。専門家の立場からは3パイロット都県以外の現状を把握する上でも大変有益な機会となりました。
その他、チーフの役割上特定の分野でOJTを直接受け持った数は少ないですが、その中のひとつ、Output1水道セクター年報の活動において、DWS水道規制課が一緒に作った新たなフォーマットで自ら年報を仕上げ、MPWT大臣の承認を受け、自費で印刷製本まで実施できたことは活動開始当初を振り返ると非常に嬉しい成長でした。
初めての長期専門家派遣でチーフ業務を務め、至らない点も多々あったかと思いますが、非常に多くの方に積極的な協力をいただき充実した活動を実施することができました。引き続きMaWaSU2をよろしくお願いします。

【画像】帰国前日にDWSへの帰任挨拶。プロジェクト幹部を含め党メンバーに対応いただきました。

【画像】2度目のロックダウンに見舞われ最後の現地活動となったNPLPにて帰任挨拶。

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NPNLのCPは定番の空港見送りが不可のためホテルに来てくれました。

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3年間プロジェクト事務局を務めてくれたDWSのソムチャイ。

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3年間プロジェクト事務局を務めてくれたDWSのプーグン。二人とも大きく成長しました。