64.Monthlyハイライト

2022年9月5日

2022年8月

8月は新型コロナウイルスのプロジェクト活動への影響はほとんどなく、予定した多くの活動を実施することができました。しかし、雨季の大雨に加え台風(熱帯低気圧)の影響で各地で洪水や道路の冠水が報告され、県外出張の移動において影響を及ぼしました。

8月の主なプロジェクト活動は以下のとおりです。

a.Output1:公共事業運輸省・水道局(DWS)との主な活動

・包括的制度改善戦略(OIDS)・優先課題改善戦略(PDCDS):法令等整備の現状把握、PDCDS最優先課題取り組み構成案について意見交換
・水道セクター開発基金(WSSDF):コンサルタント専門家による水道セクター開発基金プロポーザル調査・ドラフトを活用しDWS担当職員の理解促進(8月小委員会1回開催)
・水道戦略(WSS)・都県水道戦略(PWSS):WSS中・南部説明会9月13日開催予定、PWSS支援案DWSへ共有、県公共事業運輸局(DPWT)へアンケート調査配布
・水道セクター年報:2020年度版最終化支援、2021年度版作成支援

b.Output2:担当 林佑樹専門家赴任、Output4担当 浜口浩気専門家赴任

MaWaSU2終了時までの間、Output2を担当する専門家をさいたま市水道局及び川崎市上下水道局から交代で派遣することになり、3番手の中村宏明専門家を引き継いで林佑樹専門家が8月18日に赴任しました。林専門家はMaWaSU(先行案件)で短期派遣(土木)を経験された専門家です。今回はOutput2パイロットプロジェクト第2バッチで選定された3つの県に対して詳細設計策定支援を行います。また、Output4を担当する浜口浩気専門家が8月6日に赴任しました。Output4担当の短期専門家は新型コロナウイルスの影響により2020年3月以降、約2年半ぶりの赴任です。浜口専門家は2018年に自身の事業体(横浜市水道局)による海外現地業務チャレンジ事業に応募しMaWaSU2で海外での現地事業や生活を体験されました。今回は専門家として横浜市水道局で経験された財政の専門性をラオスのカウンターパートへ指導します。

c.Output2:パイロットプロジェクト第2バッチ 事業運営能力向上に向けて

実施要項に記載していたプロポーザル審査による7月末までのパイロットプロジェクト第2バッチの選定は間に合いませんでしたが、8月第1週には各県へ選定結果が報告されました。第2バッチで選定されたのはサイニャブリー県、シェンクアン県、ポンサリー県です。10月のDWS、県公共事業運輸局(DPWT)、水道公社(WSSE)間でのパイロットプロジェクト実施契約締結に向けてPPTT(Pilot Project Task Team)メンバー間で担当県を決定し、現地訪問時にプロポーザルの微修正と詳細設計・BOQ作成を促進するための準備会合を開催しました。役割分担はプロポーザルの微修正をPPTTメンバー、詳細設計・BOQ作成を専門家による支援としました(PPTTメンバーが詳細設計・BOQ作成を指導するまでの能力はまだなく、専門家による水道公社技術担当への技術移転を優先します)。8月中に選定3県を訪問し作業が開始されました。

d.Output2:パイロットプロジェクト第2バッチ 施工管理ガイドライン研修会に向けた準備

パイロットプロジェクト第1バッチの経験を踏まえて、1)施工計画作成、2)設計・完成図作成、3)工事写真アルバム作成の施工管理ガイドラインを改善しました。また、MaWaSU2・さいたま市草の根事業連携で取り組んでいる、4)管路布設、5)給水装置設置、6)資機材管理の施工管理ガイドラインをパイロットプロジェクト第2バッチで活用します。10月下旬に予定している選定3県の施工管理担当職員への研修会に先立ち講師研修をラオス国立大学・自然科学部で行いました。講師研修の内容はOutcome-Based Education(OBE)と呼ばれる教授法の一つで、過去にラオス国立大学が世界銀行からOBE教授法の支援を受けました。自然科学部を含めいくつかの学部で実践されており、MaWaSU2でも1月に分科会5水質管理メンバーがOBE研修を受講しています。今回は1)2)3)の施工管理ガイドラインを担当する、パイロットプロジェクト第1バッチ実施県施工管理代表と施工監理支援員を務めた3パイロット水道公社とサイソンブン県がOBE研修を受けました。4)5)6)を担当するさいたま市草の根事業のメンバーは10月にOBE研修を受講する予定です。

e.Output4:第5回Mini Workshop(計画・財政)準備会合

9月に北部、中部、南部に分かれて計画・財政をテーマにしたMini Workshopを開催します。開催に先立ち、計画(分科会3)と財政(分科会4)の担当者が北部開催県であるサイニャブリー県に集合し準備会合を持ちました。料金改定手続きが標準化されていないため予定通り料金値上げができず、計画立案も料金改定を見越したものか現行の水道料金でできることだけ計画に含めるのかなど悩ましい状況もありますが、専門家の助言を受けて計画・財政メンバーが自ら考え、Mini Workshopで全国の水道公社へ伝える内容を取りまとめました。先行案件(MaWaSU)2012年開始時は各種会議で「専門家の要望に従って活動した」という他人事のような報告が多かったのですが、10年を経てラオスのカウンターパートが主体的にプロジェクト活動(水道公社の事業改善活動)に取り組んでいる様子が肌で感じられます。

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b-1 ポンサリー県で詳細設計作成指導を行う林専門家(右から2人目)

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b-2 首都ビエンチャン水道公社で財政のOJTを行う浜口専門家(中央)

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c-1 シェンクアン県の現場でパイロットプロジェクト第2バッチ詳細設計を指導する中村専門家(左から2人目)

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c-2 サイニャブリー県のパイロットプロジェクト第2バッチ拡張予定区域で現場確認を行う野澤専門家(左から2人目)と中村専門家(右)

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d-1 ラオス国立大学でのOBE研修の様子

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d-2 研修終了時の受講証明書授与の様子

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d-3 OBE研修終了後の集合写真

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e-1 第5回Mini Workshop(計画・財政)準備会合でアドバイスを行う浜口専門家