2023年4月26日
プロジェクトでは、母子保健サービスの提供状況の把握と課題の抽出に加え、プロジェクトの成果を計測・評価するため、統計情報などの調査を実施します。これをベースライン調査と呼んでいます。この調査のため、プロジェクトでは調査票を作成し、調査票の内容に不備がないかプレテストを行いました。
ベースライン調査では、一次医療施設に勤務する医師や助産師、女性ヘルスワーカーなどへの聞き取りを行います。また、施設の設備・資機材・医薬品等の状態についても調査を行います。さらに、実際に赤ちゃん人形を用いて、助産師に妊産婦ケアや蘇生方法を実演してもらい、技術レベルの確認を行います。加えて、母子の救急リファラルに関しては、救急搬送先の二次医療施設で聞き取り調査も実施します。
そこで、プロジェクトでは2023年2月に、各県保健局と18カ所の医療施設を訪問し、調査票を用いたプレテストを実施しました。施設の中には、水や電気といったインフラの不備にはじまり、医療用資機材の不足、衛生管理が不十分な施設がありました。また、助産師の技術確認を行いましたが、特に新生児のケア技術に不足が見られました。
コミュニティでのプレテストでは、母親やその家族から意見を聞きました。例えば聞き取りをした母親からは、「医療施設に電気がない、薬が不十分であり利用しにくい」という声や、「文化・慣習的な観点からも女性の医師に診察してほしい」、「エコーで検査をしてほしい」といった意見が出されました。さらに緊急時に病院を受診する際、タクシーを利用する場合が多く、遠隔地の場合、金銭的な負担もあるとの声が聞かれました。
4月から本格的な調査期間に入ります。調査を進めながら課題やニーズを取りまとめ、母子保健継続ケアの強化を目指し、プロジェクト活動の戦略策定に繋げていきます。
県保健局における聞き取りの様子
プレテストにて助産師へ新生児蘇生法の確認をする様子
コミュニティでのプレテストにて母親へ聞き取りを行う様子