(1)当該国における保健医療セクター、特に結核の現状と課題
近年、タイ王国は目覚ましい経済的・社会的発展を遂げており、保健セクターにおいては保健省により基本的な保健医療サービスが全国で提供されている。しかしながら、疾病対策の一部には十分な取り組みに至っておらず、結核についてはHIV/エイズとの重複感染や多剤耐性の増加等により、毎年6万人以上の新規患者が報告されるとともに、2013年の結核有病率は人口10万人当たり149を記録し、WHOの高蔓延国22ヶ国の1つに指定されている。サービスの課題は診断及び治療技術能力にあり、治療成功率は目標の85%には届いておらず、特に多剤耐性結核に対する成…