第3回・4回戦略的幹部対象「公共財政管理」研修実施

2019年12月4日

ホーチミン国家政治学院(HCMA)にて2019年11月より実施している第3回・4回戦略的幹部養成研修(通称「ロップチェンルック」(注) )の両クラスに対し、12月3日・4日の2日間に渡り、大武健一郎元国税庁長官より「公共財政管理」をテーマに講義をいただきました。

半日間の講義後、計86名のロップチェンルック参加者を「経済成長や中小企業育成、社会的公平性の観点からの税金のあり方」、「関税の減収を見据えた税体系の工夫」、「高齢化社会、社会保障の充実とコミュニティのあり方」といった討論テーマ毎にグループに分け、グループ内討議、グループ別討論の後、質疑応答を実施しました。

大武先生は、徴税や財政健全化の徹底や社会保障の充実化といった財政制度と経済運営からの講義に加え、ベトナムが保持しているコミュニティや家族の繋がりの維持が社会保障の観点からも重要であることなどを包括的に説明されました。今後のベトナムを担う中央・地方幹部であるロップチェンルック参加者の持続的経済発展の維持に対する問題意識は高く、参加者からは「税制改革の促進と一貫・徹底した徴税が不可欠」、「経済発展全体の観点から、個人経営者の企業化支援の重要性を理解した」、「将来のリスクを見据え、社会保障制度の在り方を変える必要がある」といった意見が挙げられました。

(注)「ロップチェンルック」については、2019年9月5日付記事参照。

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ロップチェンルックでの大武先生(写真中央)の講義の様子