2019年12月18日
ホーチミン国家政治学院(HCMA)にて2019年11月より実施している第3回・4回戦略的幹部養成研修(通称「ロップチェンルック」(注))の両クラスに対し、12月17日・18日の2日間に渡り、尾西雅博大正大学教授(元人事院事務総長)より「公務員制度」をテーマに講義をいただきました。
研修参加者はベトナム全国の党・国会・政府関係者など多岐にわたりますが、公務員制度もいずれの討議テーマも公務遂行上、業務に関係することや、ベトナムにおいて優秀な公務人材の確保は喫緊の課題であることから、講義前に回収した質問では「日本の給与制度は、公務に良質な人材を誘致するものとなっているか。公務から民間部門に移る状況が生じていればその理由は何か」、「能力発揮を促進しつつ、給与や昇進において公平性と客観性をどう担保すればよいか」といった質問が挙げられました。
半日間の講義後、計86名のロップチェンルック参加者を「採用試験」、「人事評価」、「公務における道徳」、「給与」、「組織運営」のテーマ毎にグループに分け、グループ内討議、グループ別討論を実施。研修後、参加者からは、「(現在各組織が個別に実施している採用試験の代わりに)ベトナムの状況に合わせた統一試験の導入をするべきだ」、「全ての公務員にとって生活が保障されるレベルの給与を担保する必要がある。これが汚職対策としても必要だ」、「公務員の能力や業務成果を評価する手法が必要だ」といった意見が挙げられました。
(注)「ロップチェンルック」については、2019年9月5日付記事参照。
グループ別討論の後、コメントをする尾西先生(写真中央左)