フィエール県庁を訪ねました。

2021年9月10日

プロジェクト開始後最初の公園管理委員会(PMC)開催(6月29日)後、事務局であるディビアカ・カラヴァスタ国立公園管理事務所(DKNP)主導でMMが作成・署名され、MMで明記された主たる3つの問題に関して、PMC議長であるフィエール県知事名で担当部局に対応策を講じるよう依頼文書が発出済みですが、8月12日、フィエール県庁を訪問し、このフォローアップを促すとともに、PMCの議論を具体的対策措置につなげる方策、今後のPMC運営、次回PMCについて意見交換を行いました。
PMCで議題となった公園が現在直面している主たる問題は4つあり、1の森林火災を除き、関係諸機関に対策依頼の文書が発出されています。
1.森林火災
2.ごみ処理(埋め立て)の問題
3.橋梁設置による農業水路の滞留問題
4.漁業資源の問題

ごみ処理の問題については、フィエール県が建設しているゴミ焼却処分場の稼働を待つ必要がある他、政治的要因もあってこれまで具体的な対策の検討にはつながっていませんが、問題が多くの人に認識されつつあるということは確認できており、地元住民による問題提起など行政/政治の対応を促す働きかけも必要であるという見解で一致しました。水路の滞留については、ディビアカ市農業局がすでに現地調査を行っており、今後の具体的対応を待っている状況。漁業については関係省庁および地方出先機関に働きかけを続ける必要があるほか、管轄権や許認可権について整理が必要という認識で一致しました。

また、PMC運営についての議論では、PMCはステークホルダー間で公園が直面する課題を共有することについては優れたプラットフォームであるが、その課題対応には限界がある、法的な枠組みの中で行政的手続きを進めていくには時間がかかりすぎるなどの問題点も確認されました。取り組みやすい課題に対してメンバーの具体的な役割分担、貢献によって成果を出していく(成功体験を重ねる)、Local Governmentだけでなく、Local Communityの意見、発言も汲み取れるフレームを考えるなど、次回以降の課題として共有しました。
次回PMCは、プロジェクトの短期専門家チームが派遣される10月中を目処に実施する予定です。
なお、新政権組閣後に各省庁部局長レベルも人事異動が想定されるため、PMCも前回参加担当者が継続するとは限らず、仕切り直しの可能性もありえるようです。

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フィエール県庁公共政策部長(右)と議論する公園事務所長(中央)