災害に備えるためのツール「タイムライン」策定研修の実施及び発表会が開催されました

2019年5月24日

2019年5月20日から24日の間、日本人専門家とコスタリカの中央防災機関(CNE)、パイロット市のアラフエリタ(Alajuelita)市、アセリ(Aserrí)市、エスカス(Escazú)市、デサンパラドス(Desamparados)市及び各市の防災委員会による第2回目のタイムライン策定研修が実施されました。
また、作成されたタイムラインの各市での活用を後押しするため、4市が作成したタイムラインの発表会がCNEの要請により開催されました。

タイムラインは、災害の危険が迫る時、市および関係機関が早めの行動をとり、住民を避難させることにより人的被害の防止/軽減を図ることを目的としています。災害時に発生する状況を予め想定し、防災関係機関が連携して「いつ」「誰が」「何をするか」に着目して、防災行動とその実施主体を時系列で整理した行動計画です。

今回は、第2回目のタイムライン策定研修で、第1回目の研修で各市が作成したタイムラインの第1ドラフトを警察、赤十字、保健省など、住民避難に関わる関係機関とともに、各アクションの内容や実施するタイミングについて話し合い、タイムラインの更新作業を行いました。

また、コスタリカ側のイニシアティブにより、今後コスタリカでのタイムラインの活用を促進するため、パイロット4市が作成したタイムラインをCNEに発表しました。4市の発表を受けて、CNE災害リスク管理部長は、「成果につながるプロダクトを見ることが出来るのは満足出来ることであり、今後タイムラインをどう活用していくかが大切となる。タイムラインをあらゆるところに貼り出すなどして、各々がどこでどのようなアクションを取るかについてわかっている必要がある。また、タイムラインの普及を行い、関係者も住民も自分たちがそのタイムラインの一部であることを理解してもらう必要がある」とのコメントがありました。

今回の研修での更新作業のみならず、引き続き、コスタリカ側で定期的な更新を行いながら、人的被害の防止/軽減に貢献するツールとして活用されることが期待されます。

作成:佐野 康博(長期専門家)

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日本人専門家とCNEとのタイムライン研修の事前打ち合わせ

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タイムライン研修の様子

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アセリ市職員と市防災委員会メンバーによるタイムラインの更新作業

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エスカス市職員と市防災委員会メンバーによるタイムラインの更新作業

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デサンパラドス市職員と市防災委員会メンバーによるタイムラインの更新作業

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アラフエリタ市職員と市防災委員会メンバーによるタイムラインの更新作業

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パイロット4市が作成したタイムラインをCNEに発表する様子

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パイロット4市、CNE、日本人専門家らのタイムライン発表会の参加者