BOSAIフェーズ1サイトの優良事例は継続的に活用されています

2019年6月21日

2019年6月21日に、テグシガルパ市にある中米広域防災能力向上プロジェクト(BOSAI)フェーズ1のパイロットサイトを訪問し、コミュニティ防災委員会の活動や古タイヤを利用した擁壁等の現状を確認してきました。

2007年から2012年に実施されたフェーズ1のパイロットサイトであるカナン(Canaan)コミュニティは、テグシガルパ市北部の山腹に位置し、常に土砂災害の発生リスクが潜んでいる地域です。フェーズ1が終了した後、中央政府、市役所のコミュニティ防災に係る支援は減少しましたが、現在でもコミュニティ防災委員会メンバーは防災に関する知識・経験を、自治会等を通して近隣住民に共有している様子が確認できました。コミュニティ防災委員会のメンバーは「行政機関による支援は少ないが、自分たちでできる事を少しずつ行っていきたい」と語ってくれました。
また、フェーズ1では古タイヤを利用した擁壁がコミュニティ内にある小学校の校庭に建設されました。校庭は日本人専門家の指導の下、地域のボランティアが参加し建設したもので、9年を過ぎた今でも建設当時のままの状態が維持されており、児童や校舎を守り続けています。

ホンジュラスや他の中米国では古タイヤを利用した擁壁がよく利用されていますが、時間の経過とともに崩れかかっているものもよく確認され、適切な方法で建設しなかった様子が伺えます。
そのような地域に対し、当国で確認された事例を広く普及していくことが草の根的な支援になるのではないでしょうか。

古タイヤ建設マニュアルは以下のリンクから入手できます。

作成:杉本 要(長期専門家)

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古タイヤ擁壁設置時の様子(2010年)

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現在の古タイヤ擁壁の様子(2019年)

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コミュニティ防災委員会メンバーの活動を聞き取るプロジェクトチーム