HUG講師育成研修で認定をうけた講師による研修が実施されました

2019年11月12日

2019年11月12日、日本人専門家が実施する研修によって育成されたグアテマラ人「避難所運営ゲーム(HUG)」講師が、首都グアテマラシティにてHUG研修を実施しました。
今回は、避難所運営の主管組織を補佐する役割を担う社会開発省(MIDES)が、自分達だけで同研修を計画・準備し、実施しました。同省職員53名が参加し、グアテマラ国内において、グアテマラ人による初めてのHUG研修となり、HUG手法の普及展開が始まりました。

2019年10月に、小野寺コンサルタントチーム専門家が実施したHUG講師育成研修で認定をうけた講師達が、各組織に手法を持ち帰り、少なくとも独自に1回は研修を実施してもらう事をプロジェクトとして依頼しました。
今回のMIDESの研修は、育成された5名の講師が、それぞれ役割を担った上で1つの研修を実施するという特色あるものになりました。また、HUG手法の説明においても、阪神・淡路大震災からの大きな教訓である「自助・共助・公助」の大切さを引用するなど、過去の災害の経験と教訓から学びを得ながら、リスク削減の防災活動が改善を伴って進められている、という日本の特色を加味しつつ受講者に説明するなど、研修に向けた準備を入念に行ってきた事が伝わるしっかりとした内容となりました。

参加者からは、「2018年のフエゴ火山災害で実際に対応したが、HUGが投げかける現実的な状況付与は、実際の現場での対応に大きく役立つ。」「チームワークの大切さを再認識した。」「今回のシミュレーションで如何に現場が混乱するかが想像できた。可能な対応については、前もって準備をしておくことができるのではないかと気づいた。」といった、これまでの手法紹介を中心とした研修の際の感想とは異なり、参加者それぞれがHUGを通じて、自分自身が実際の現場で対応にあたっている場面を想定しながら研修を受講できたのではないか、という印象をうける感想が多く聞かれました。

MIDESは、今回の研修を含めて、これまでに合計125名の職員がHUG研修を受講しました。今回の研修実施には、これまでHUG手法の技術移転を行ってきた小野寺コンサルタントチーム専門家も参加し、研修で伝えた内容が正しく誤解なく伝わっているか、手法が適切に実施されているかをしっかりと確認しました。MIDESは、既に来年度の省予算にもHUG研修実施の予算を組込み、育成された講師陣が研修を実施し、手法の普及を図っていく計画です。

BOSAIプロジェクトフェーズ2は、今後もグアテマラの防災人材育成への支援、防災体制強化への支援を継続して実施していく予定です。

作成:伊良部 秀輔(長期専門家)

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育成されたHUG講師が研修を実施する様子。中米地域で初めて、育成された講師により研修が実施された。

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HUG研修後、参加者がアンケートに応え、MIDESが独自に評価を行った。

【画像】HUG研修実施後の集合写真。講師陣含め58名が加した。