本邦研修「地域看護管理職のための保健事業の運営能力強化」(フィジー)

2016年12月13日

2016年8月26日から2週間、プロジェクトメンバーであるフィジー保健医療サービス省の看護職者10名が、日本の生活習慣病対策に関わる保健事業の企画・運営・評価について学ぶために来日しました。

プロジェクト協力機関である国立保健医療科学院、国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所をはじめ、厚生労働省保険局、女子栄養大学、公益社団法人日本看護協会等を訪れて講義や演習に参加した他、4泊5日の日程で滋賀県を訪れて、東近江市と近江八幡市の各保健医療施設や健診プログラムを視察しました。

事業運営の視点から地域アセスメントや事業計画の手法を学んだ他、滋賀県内の実習では、自治体や医療機関が連携しながら生活習慣病対策を推進している実際について学びました。また、滋賀県看護協会・在宅ケアセンターみのりのスタッフ並びに利用者の皆様の協力のもと、在宅看護師の在宅ケアに同行する機会を得ました。住民を中心に据える保健医療の重要性を参加者が再認識する一幕となり、住民を支える地域ケアシステムのあり方について活発な議論がなされました。

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地域アセスメントのグループワークを行う研修参加者たち

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近江八幡市立総合医療センターの職員との意見交換

研修の最終日には、研修参加者たちが、自国フィジーの生活習慣病対策の課題を整理し、地域保健看護師に対する地域アセスメントに係る人材育成計画を発表しました。また、生活習慣病対策の推進のため、既存の様々な保健プログラムの改善案が帰国後のアクションプランとして披露されました。

それから約4ヶ月。日本から帰国した研修参加者たちは、月1回に顔を合わせ、お互いの進捗を確認しながらアクションプランの実行に精力的に取り組んでいます。研修参加者が日本から持ち帰ったスキルや知識をフィジーの状況に即して活用、発展させながら、人材育成の体制を強化していけるよう、引き続き、プロジェクトとして支援を続けていく所存です。

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お互いの活動進捗を報告しあう研修員たち