職場での肥満対策推進事業を開始(フィジー)

2017年12月1日

2017年9月4日、職場での肥満対策推進のパイロット事業(3ヶ月間)を開始しました。2つのパイロットサイトは、首都スバ市内中心部に本社を構えるフィジー国家準備基金(Fiji National Provident Fund)と、スバ郊外に縫製工場を構えるアパレルメーカーリンダースト株式会社(Lyndhurst Limited and Katalyst Fiji Group of Companies)。経営陣や人事部の理解と協力が得られることを条件に、最終的には経済状況や職場環境が異なる2つが選ばれました。

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リンダースト株式会社のキックオフ会合で、事業への期待を述べる同社の人事部長

生活習慣病予防は、個々の労働者の健康と生活だけでなく、企業活動上も生産性の維持や人材確保等の点で重要な課題となります。フィジーにも職場での健康増進を謳った労働環境の福祉健康政策(Wellness Workplace Policy)は存在しますが、日本のように定期健康診断、特定健診・保健指導が事業所や保険者に義務付けられるものはありません。
一方で、2014年頃から保健医療サービス省では、各保健施設が職場(任意)にチームを派遣しての生活習慣病健診を試験的に開始してからというもの、健診を希望する企業は増加の一途で、近年では保健医療サービス省側の実施運営が追いつかず、実施体制の整備やサービス内容の見直しが喫緊の課題となっています。

本事業では、以下のプログラムをパイロットサイトで、合計230名を対象に実施。減量の効果だけでなく、精神面、職場の満足度など様々な影響について検証し、今後の保健省戦略策定につなげる予定です。

<パイロット事業の主なプログラム内容>
・栄養士・看護師による個別またはグループの栄養カウンセリングの提供(月1回)
・終業後の職場でのエクササイズ教室の開講
・共有スペースでの身長・体重計の設置
・栄養や運動に関する教材の配布
・歩数計の配布
・パイロット事業(3ヶ月)前後での健康診断
・医師の診察(適宜)

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リンダースト株式会社でのグループカウンセリング

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フィジー国家準備基金でのエクササイズ教室