生活習慣病対策ナーシング・ワーキング・グループ・ミーティングとミニプロジェクトの紹介

2018年10月31日

ナーシング・ワーキング・グループ(以下NWG)は、2016年に本プロジェクト対象地域であるフィジー中部地区コミュニティ看護師の生活習慣病対策の能力強化を目的に立ち上げられました。中部地区のペニナ・ドルゥアヴェシ看護部長をチェアーに、1~2ヶ月に一度、定期ミーティングが行われています。ミーティングの運営は本プロジェクトの現地スタッフを中心に行われています。

2018年10月26日に開催されたNWGミーティングの議題は、「JICA NCDプロジェクトが製作中のブックレットの意見交換」、「コミュニティでの介入結果の報告」、「職域での介入結果の報告」、「ミニプロジェクトの報告」、「11月の動機付け支援ワークショップについて」、と盛りだくさんの内容でした。今回は、この中でミニプロジェクトについて紹介します。

ミニプロジェクトとは、2016年本邦研修「地域看護管理職のための保健事業の運営能力強化」に参加した看護師10名のアクションプランが元になっています。フィジーに帰国後、本プロジェクト専門家がNWGミーティングの場を活かし、それぞれのアクションプランの実現をサポートしており、今回、次の2つの進捗報告がありました。

1つめは、コロボヘルスセンターのサカライア・ブナケセ看護師長で、母親や養育者をエンパワメントすることで幼児(0~5歳)のNCD予防を目的に行っているミニプロジェクトです。地域の栄養失調児と肥満児を見つけ出し、その親に対して栄養指導を行っているのですが、当プロジェクトで研修を行っている動機付け支援面接をうまく利用し、子どもたちの栄養改善に成功しているケースの紹介がありました。

2つめは、ヴニダワヘルスセンターのエモニ・ナワカ看護師長で、エモニ氏は管轄する地域の18の地区の地区診断を行うことで、その地域の潜在的なNCDリスクの発掘を目指しています。エモニ氏自身が地区診断を行うだけでなく、その地域の責任看護師としてその地区の看護師にも地区診断の方法をトレーニングしているとのことでした。スバ地区担当のアナ・セル看護師長からは、他の地域にも是非とも導入したいとの意向が示されました。

ヘルスセンターで看護師長としての通常業務を行いながら、ミニプロジェクトを実践することは並大抵のことではありません。NWGミーティングのような場は、情報共有や他の看護師からの助言を得られるだけでなく、看護部長からの激励を受けるなど、実施のモチベーション維持にも有効な場です。

今回の報告を元に、本プロジェクトでは各ヘルスセンターに赴き、本プロジェクト対象地域のNCD対策が強化されるためのサポートを継続していきます。

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ミニプロジェクトの進行を説明するナワカ責任看護師

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コミュニティでのクッキングデモの様子を説明するプロジェクトスタッフ(右:栄養士)とパソコン操作をしながら議事録をとるプロジェクトアシスタント(中央)

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活発な討議