プロジェクト概要

プロジェクト名

(和)MRT沿線の公共交通指向型開発のための政策策定支援プロジェクト
(英)Project for Development of Policy and Guidelines for Transit Oriented Development along Mass Transit Corridors

対象国名

バングラデシュ

署名日(実施合意)

2021年6月10日

協力期間

2021年8月24日から2024年7月14日

相手国機関名

首都圏開発庁(Rajdhani Unnayan Kartripakkha:RAJUK)

背景

バングラデシュ人民共和国の首都ダッカは、1990年から2015年にかけて人口が662万人から1,760万人まで増加しており(国際連合人口部、2018年)、人口増に伴う急激な交通需要の増大が慢性的な交通渋滞や大気汚染等を引き起こしている。
当国政府は都市交通マスタープランである「ダッカ都市交通戦略計画)」(2005年)を改訂し、その中で公共交通網として大量高速輸送システム(Mass Rapid Transit、以下「MRT」という。)5路線及びバス高速輸送システム(Bus Rapid Transit、以下「BRT」という。)2路線の整備を計画した。改訂STPに基づき、現在、MRT6号線、MRT1号線、MRT5号線(北路線)の3路線の整備が円借款によって行われている。しかし、MRT等の整備に当たり、当国政府が更新中である2016-2035年を目標とした都市計画に定められている詳細地区計画(Detailed Area Plan 2016-2035:DAP 2016-2035)ではMRT整備を考慮した土地利用計画となっておらず、MRT整備及び駅周辺開発を土地利用計画に位置付けていく必要がある。特に、MRT6号線、MRT1号線、MRT5号線(北路線)整備により49駅が整備される予定であるが、駅周辺の開発許可申請・承認の手順が必ずしも明確となっていない、MRTからバスなどの他の公共交通機関への乗り換えの利便性が十分に考慮されてない、MRT駅周辺における事業者・土地所有者を含む利害関係者の調整が困難といった課題がある。よって、沿線開発、駅周辺開発、駅前広場の開発等、都市計画の中に都市交通の拠点や結節点を適切に反映し、計画に基づいた都市計画、開発管理・規制を行っていく必要がある。
MRT沿線開発の関係者間で公共交通指向型開発(Transit Oriented Development:TOD)推進における課題を認識し、規定された手順に基づきMRT沿線の都市開発の推進や利便性等を向上させていくために、関係機関の役割分担や利害調整方法、開発手法などを定義し、開発の規範となるTODに係る政策やガイドラインが必要とされているが、現行都市計画法では整備されていない。さらに、MRT沿線でTODを進めていく上で都市計画を担当する首都圏開発庁(Rajdhani Unnayan Kartripakkha:RAJUK)、MRT整備を担当するダッカ都市交通会社(Dhaka Mass Transit Company Limited:DMTCL)、ダッカ市内の都市交通ネットワークの計画を所管するダッカ都市交通調整局(Dhaka Transport Coordination Authority:DTCA)等都市交通を担う様々なアクター、事業者間の調整がうまくなされておらず、適切な開発が進んでいないといった課題がある。

目標

上位目標

(インパクト)
公共交通指向型開発(TOD)の計画に基づいた適切な都市開発の推進

プロジェクト目標

(事業目的)
本事業は、ダッカにおいて、MRT沿線におけるTODの政策、ガイドラインを作成し、調整メカニズムを構築・運営することにより、計画に基づいた適切な都市開発を推進することに寄与する。

成果

(アウトプット)
MRT沿線におけるTODに係る政策及びガイドライン

活動

(調査項目)
1)都市開発・TOD関連法整備・計画、開発手法のレビュー、課題の整理
2)MRT沿線の土地利用計画及び交通計画の整理
3)日本及び他国のTOD事例の研究、研修の実施
4)TODに係る政策及びガイドラインの策定
5)TOD実施のための調整メカニズムの構築及び運営
6)パイロットプロジェクト対象駅の選定及びパイロットプロジェクトの実施
7)環境社会配慮(戦略的環境アセスメント(SEA)の実施含む)

投入

日本側投入

調査団員(専門家)派遣、研修員受入れ

相手国側投入

カウンターパートの配置、案件実施のためのサービスや施設、現地経費の提供