対象地域の農家や普及員のベースライン調査を行っています(2015年3月〜継続中)

2016年7月7日

プロジェクトでは、対象地域の農家の営農状況、研究開発センターや県普及所の支援事業と関係者の技術・知識の現状、および将来の成果を図る指標データーを入手するため、農家・農業研修員・普及員のベースライン調査を行っています。

3月下旬から必要な情報を検討・整理し、4月の実施試験調査を経て調査票を作成。5月に開催した県知事を議長とする県プロジェクト活動グループ会議(PWGM)で、プロジェクトの年間活動計画とともに、調査対象郡と想定サンプル数、営農規模・標高を考慮したサンプル農家の選定、調査計画を協議・確認し、5月中旬から6月下旬にかけて対象4県の27郡で農家約200名、普及員約45名、研究員約15名の調査を実施しました。

英語が堪能な研修員・普及員には電子メールで調査票を配布・回収できますが、農家は殆どが中高年で識字が困難なため、カウンターパート・普及員が個別にインタビューしながら調査票に記入しますが、20ページにおよぶ詳細・多岐に渡る調査票に沿ってのインタビューは1農家当たり約2時間を要します。プロジェクト車両の到着が遅れる中、配属先の老朽化した小型トラック、時にはインド製の小型トラックを借り上げての広範な地域の悪路移動もありかなりの労力と時間のかかる調査となりました。

識字困難で農家簿記などの記録がない農家の曖昧な記憶から掘り起こされた、多種多様な作物の栽培面積・果樹の本数と樹齢・収量・販売の有無と金額などの数値情報は、ともすると過少申告をする傾向の強い農家の性向もあり、必ずしも正確と思われないものも多く散見されます。得られた情報をプロジェクト成果の定量的な指標データーとしてどこまで活用できるか悩ましいところですが、今後の集計・分析を通じて、交通アクセスの利便性、灌漑の有無や標高などによる営農状況、販売を目的とした作物の栽培動向と関心作物、問題・課題などの全体像が捉えられ、プロジェクトによる普及活動に活かされることが期待されます。

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カウンターパート会議で調査項目検討

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県プロジェクト活動グループ会議での協議

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農家インタビュー調査(プナカ県)

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農家インタビュー調査(ワンデェ・ポダン県)

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農家インタビュー調査(チラン県)

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農家インタビュー調査(ダガナ県)

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村から村への移動では立ち往生することも

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調査データの入力演習をするカウンターパート