農家への春・夏野菜普及と在来果樹の高接ぎ(2017年2〜3月)

2017年3月22日

プロジェクトでは対象地域の農家への直接的な普及活動として、果樹展示農家・果樹育苗農家の育成の他にも各種野菜や果樹の栽培普及を行っています。

昨年秋には収穫の終わった水田の裏作として、11郡30農家に玉ねぎ栽培を指導・普及。厳寒期の終わる2-3月にかけては、春・夏野菜の栽培普及、更に農家で半ば放任的に植えられている在来果樹の品種更新を図るための改良品種の高接ぎを行いました。

春・夏野菜は、昨年センター圃場で栽培・採種したスイカ・カボチャ・インゲン豆・ナス・オクラなどで、対象4県の栽培に適する比較的温暖な標高約1000〜1400mの地域計10郡で、郡農業普及員を通じて希望があった48農家に種子とともに育苗用プラスチックシートを配布し、スイカ・カボチャについてはプラスチック被覆による直播の実習を行いました。スイカやカボチャはこれまでこの地域では殆ど栽培されておらず、市場で販売されるスイカはインドからの輸入が殆どですが、その商品価値は農家も承知しているだけに関心は高く、一部の郡では想定以上の農家が集まってプロジェクトチームの指導を聞いていました。更に、プロジェクトによる現地指導後も郡普及員がプロジェクトより県農業普及局に配布した種子を以って農家への普及指導を行っています。

果樹の高接ぎは、落葉果樹の多いプナカ県、ワンディフォドン県を対象に、6郡約120農家で、在来種の梨・桃・柿など約400本に改良品種の穂木を高接ぎしました。高接ぎした枝が結実するには数年を要しますが、農家は早くも商品価値の高い改良品種の収穫を楽しみにしていました。農家からの高接ぎ希望は増える一方で全てに応えることは出来ませんが、別途農業普及員への高接ぎ技術研修も行っていますので、十分な穂木を確保できれば来年は更に高接ぎによる品種更新が進むことが期待されます。

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育苗した玉ねぎ苗の定植(12月)

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定植2か月後の玉ねぎ畑(2月)

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実習の前に専門家の説明に真剣に聞き入る

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スイカの直播実習

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ポリキャップで被覆し、換気用に穴を開ける

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直播後の管理、間引き・蔓の整枝方法を指導

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在来の豆梨への長十郎の高接ぎ

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在来種の桃への改良桃・スモモの高接ぎ