CST学生、冬休みを利用し、国内唯一のファブラボで機械操作を習う

2022年1月14日

長いブータンの冬休み。王立ブータン大学科学技術カレッジ(CST)の学生向けに、プロジェクトで準備した2つめの課外学習プログラムは、国内唯一のファブラボ「ファブラボ・マンダラ」での5日間の機械操作習熟研修(デジタル工作ハンズオン研修)です。その第1バッチの研修は、CST全学部から計19人が参加し、1月10日から14日まで開催されました。

プロジェクトの支援によるCST構内でのファブラボ設置は、デジタル工作機械の調達日程の関係で、今年6月になる見込みです。2月からはじまる大学の春学期中の開設となりますので、プロジェクトでは、この長い冬休みを利用し、機械操作を一度は経験しておいてもらい、ファブラボができたあかつきには、彼らが中核になって、他の学生の機械操作ワークショップを運営していって欲しいと期待しました。

また、ファブラボに設置されるデジタル工作機械はどこでも共通している機種が多いため、ふだんは大学構内のファブラボを利用していても、夏休みや冬休みは、帰省先の別のファブラボを利用して引き続き自分の製作プロジェクトに従事することが可能です。ファブラボ・マンダラがティンプーでワークショップを開く時には、CSTの学生がボランティアとして協力してくれることでしょう。

5日間という限られた日程だったので、学生は主に、1)Fusion 360を使った3Dデザインと3D印刷、2)Corel Drawを使った2Dデザインとレーザー加工の2つの演習に取り組みました。19人は5つの班に分かれ、3Dデザインについては身のまわりの課題を少しだけ改善できるものを共同製作し、レーザー加工機については各班が順番に個々のメンバーのデザインを合板から切り出したり、レーザー刻印を施したりしました。特に、レーザー加工については、自分のデザインのでき具合が早く確認できることから、参加者には大人気で、他の学生のレーザー加工操作まで進んでやってくれる学生も出てきました。

また、米国ファブ・ファンデーションが定めた「ファブラボ憲章(The Fab Charter)」に従い、受講者は毎日実習が終了すると、施設の清掃にも取り組みました。学内にファブラボができる前に、ファブ憲章に沿った清掃を体験できたことで、新しいファブラボの主要ユーザーである学生にも、ファブ憲章の精神を理解してもらうよい機会となりました。

最終日(14日)には、JICAブータン事務所渡部晃三所長にもお越しいただき、各参加者に修了証書授与が行われたのち、受講生によるミニ作品展も視察してもらいました。

なお、本研修は、定員20名で募集したところ、実に46名もの学生から応募がありました。

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初めて見た3Dプリンターを前に、何を作るか頭をひねる学生(写真:山田浩司)

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レーザー加工機は、学生にも大人気(写真:山田浩司)

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学生の作品のミニ展示会(写真:山田浩司)