プンツォリン市内の公私立学校関係者への最初の説明

2022年5月13日

私たちのプロジェクトの成果4にある、「個人/市民および学校が自身のニーズに取り組み、スキルを高め、社会・経済的問題対処のためにカスタマイズされた製品を開発するためのオープンイノベーションのプラットフォーム」を提供するには、まず、近隣の学校に「ファブラボCST」を知ってもらうことが必要です。近隣の学校は、まだ私たちが科学技術カレッジ(CST)の構内にファブラボを開設する計画であることを知りませんので、まず、ファブラボには何があり、何ができるのかを知ってもらうことから始めていくしかありません。

山田浩司長期専門家と大野勉短期専門家は、5月上旬、プンツォリン市役所を訪問し、市教育担当官にまず説明を行いました。担当官からは、近く市内の公私立学校の校長・副校長、障害児特殊学級担当教員などが集まる研修会があるので、これに出てファブラボCSTについて紹介して欲しいとの依頼がありました。

これを受け、両専門家は5月13日(金)、市内ホテルで開かれた2日間のインクルーシブ教育にかかる教員研修会の会場を訪れ、1時間の時間をもらって説明を行いました。

説明では、チーフアドバイザーである山田専門家が、今年3月に慶應義塾大学SFC研究所ファブ地球社会コンソーシアムが公開した『FAB CITIZEN DESIGN GUIDE BOOK』にあった「21世紀型スキル」の4類型を引用し、現在ブータンで行われているSTEM教育ですでに取り組まれている「プログラミング」に加えて、「ファブリケーション」と「フィジカルコンピューティング」が新たに加わることで、子どもたちは21世紀に必要とされるスキルをより包括的に身に付けることができると指摘しました。そして、これらの場を提供できるのがファブラボであり、近隣の学校にとっては大きなチャンスになると強調しました。

加えて、山田専門家は、障害児特別教育(SEN)指定校向けに、障害児一人ひとりの程度に合わせてカスタマイズした自助具を、主に3Dプリンターを用いて製作する可能性や、ICT科目だけでなく、美術や理科、社会科学でもファブラボが活用可能であることなどを付け加え、さらに、ソニーのMESH IoTブロックを使った簡単なプログラミングの実演も行いました。

参加していた各校の校長先生からは、「ぜひファブラボCSTと連携したい。ついては専門家をわが校に一度お招きしたい」との声が相次ぎました。また、SEN指定校の教員からも、「生徒一人ひとりにフィットした自助具はなかなか手に入らないので、現地でカスタマイズ製作できるのはとてもありがたい」と好評をいただきました。

ファブラボCST開設は7月下旬の見込みですが、その前に、専門家の各校個別訪問や夏休みの理科ワークショップのホストなどを通じ、学校との関係を深め、信頼関係を構築していきたいと考えています。

関連リンク

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市内教員研修会場にかかっていたバナー(写真/山田浩司)

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美術や算数、理科、社会科授業で3Dデザインを使用する可能性を説明する山田専門家(写真/大野勉)

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今後のスケジュールを説明する山田専門家(写真/大野勉)

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参加した校長先生からのコメント(写真/大野勉)

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「21世紀型スキル」の4象限(出所:ATC21S)