ファブラボCST、開所後の3週間

2022年9月14日

8月25日にオープンしたファブラボCSTでは、プロジェクトのカウンターパート8名を日本での技術研修に送り出した後、留守番係として現地に残った山田浩司チーフアドバイザーと、今年7月にファブアカデミーを修了したカウンターパート4名を中心に、ファブラボが設置された王立ブータン大学科学技術単科大学(CST)の学生と教職員向けのオリエンテーション、機械操作研修を展開しています。

大学の通常カリキュラムに基づく授業や実習で、午後4時頃まで拘束される学生がほとんどであるため、学生向けオリエンテーションは、平日は午後4時から、土曜日は午前10時から、毎回10名を集めて毎日2回行われています。45分間のオリエンテーションでは、ファブラボCSTの施設紹介にとどまらず、ブータン国内の他のファブラボとの連携関係や世界中のファブラボとのつながり、そのネットワークの共有原則である「ファブラボ憲章(The Fab Charter)」についても説明が行われます。

そして、オリエンテーションを終えた学生の次のステップとして、オリエンテーションと並行して、3Dプリンターやレーザー加工機を手はじめとする、機械操作研修も始まっています。ここでは、毎回受講者を最大5人とし、限られた時間内で確実に操作体験を終えてもらうことに主眼を置いています。そしてその修了者には、さらにその後の同じ機械の操作研修でインストラクターになってもらうよう仕向けています。

一方、教職員に対しては、開所後の2回の週末土曜午後を用いて、3Dプリンターとレーザー加工機の機械操作研修を行いました。これは、参加者10名を2つのグループに分けて、それぞれ別の機械の操作を経験し、後半は機械をスイッチして、それぞれ次のグループへの操作説明を自身でやってもらうようにしています。

これらの研修の予約は、すべてファブラボCSTの新設したウェブサイト上で行われます。このウェブサイト上の利用者登録は、CSTの学生と教職員については自動的に行われ、研修だけでなく、今後の機械の利用予約やコワーキングスペースの利用予約も可能です。そして、利用者がファブラボの施設と機械を利用して製作した試作品の製作記録や作品のデザインデータも、このウェブサイト上で共有され、他の利用者が参照できるよう工夫がなされています。

9月13日現在、オリエンテーションを修了した学生数はようやく200名を超えたところです。全学生をカバーするには、10月末までオリエンテーションが開催継続される必要があります。また、その間も機械操作研修を並行開催し、特に4年生の卒業製作での活用を促進していくことになる見込みです。

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学生を案内するファブアカデミー修了生(写真/山田浩司)

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学生を案内するファブアカデミー修了生(写真/山田浩司)

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教職員に3Dプリンターのメカニズムを説明する山田専門家(写真/Leki Tshering)

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先に機械操作を習得した学生が他の学生に教える場面も(写真/山田浩司)

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教職員同士で教え合う姿も(写真/山田浩司)

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レーザー加工機で作ったタグを披露する機械操作研修参加者(写真/Leki Tshering)