電気通信工学科4年生による卒業製作の最終評価発表会が開催される

2023年6月22日

6月20日、21日の両日、カウンターパート機関である王立ブータン大学科学技術単科大学(CST)において、電気通信工学科4年生による卒業製作の最終発表会が開催されました。

このうちの3つの学生チームに対して、当プロジェクトの教育プログラム開発担当の大野勉専門家が、昨年7月からオンラインでの継続的な技術的助言と、今年2月の現地での直接指導を通じ、ファブラボの設備を活用したプロトタイピングを含む実践的な製作支援を実施してきました。これは、プロジェクト成果の一つである電気通信工学科カリキュラムへのファブラボの組み入れの定着化を目的としたもので、今年度は以下の最終成果が発表されました。

①制御工学専攻の学生チームによる「AIカメラとセンサーによる歩行者交通管制システム」
PLC(プログラマブルロジックコントローラ)と呼ばれる、同学科の学生が講義で学ぶ制御装置に、AIとIoTデバイスを加味することにより、信号待ちの歩行者数や、車の交通量から信号装置を自動制御するシステム

②電気通信専攻の学生チームによる「AIカメラとセンサーによるゴミ収集所の監視システム」
AIによるゴミ種類の識別、IoTセンサーによるゴミ容量の検知と通知、及び環境センサーによるゴミ収集所の空気質の測定を行うシステム

③電気通信専攻の学生チームによる「AI顔認証による講義出欠管理システム」
教室の入り口に設置したAIカメラで学生の顔認証を行い、自動で出欠を管理することができ、将来的にはCSTの学生管理システムとの連携も視野に入れたシステム

発表会では、外部から招いた識者との活発な質疑応答も行われ、各学生チームはより実用的なシステム化へのアドバイスも受けていました。

また、もう1つの電気通信工学科カリキュラムへのファブラボの組み入れ支援である、同学科3年生の講義科目、「電子システム設計」における電子回路用プリント基板(PCB)の製作演習も、カリキュラムへの組み入れ後の最初の学期が終了しました。当初の計画どおり、各学生チームが、ファブラボのCNC工作機械を使って自作したプリント基板上に、自分達で設計した電子システムを実装して、システム機能の評価演習を完了することができました。

電気通信工学科を有するCSTは、回路基板製作ができる人材の供給源として、ブータン国内にある他のファブラボのCNC工作機械の有効活用にもいずれ寄与することが期待されます。

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最終評価発表会での4年生の発表(写真/CST)

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歩行者交通監視システムのプロトタイプ展示(写真/CST)

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AI顔認証による講義出欠管理システムの実演(写真/CST)

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ゴミ収集所の監視システムにおけるAIカメラとセンサーの組込み用筐体のデザイン(写真/CST)

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AIカメラとセンサーによるゴミ収集所の監視システムのプロトタイプ(写真/CST)

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審査員からの質問を聴く「ゴミ収集所の監視システム」製作チーム(写真/CST)

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ファブラボにおいて製作された回路基板(写真/CST)

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ファブラボにおいて製作された回路基板(写真/CST)