「温帯果樹振興プロジェクト」でSHEPワークショップを実施しました

2022年9月19日

2022年3月から開始された「温帯果樹振興プロジェクト」では、実施機関の一つである国立有機農業センター(National Centre for Organic Agriculture:NCOA)ユシパンのカウンターパートに対して、7月5日(火)~7日(木)の3日間「SHEPワークショップ」を実施しました。

当該プロジェクトは、温帯果樹の振興による商業的農業の実現を目指すものであり、その活動の一つに、SHEP アプローチに関する研修を国立種苗センター(NSC)パロ、国立有機農業センター(NCOA)ユシパン、バジョ農業開発研究センター、県農業局職員及び普及員に対して実施することが計画されています。その先駆けとして、今回のワークショップが開催されました。

ファシリテーターは、22021年度ブータン国別研修「市場志向型農業とバリューチェーンモデル導入による地域アグリビジネス振興」に参加した、NCOAユシパンの果樹担当官であるUgyenさんとTashiさんが務めました。1日目はSHEPの概要とパイロット活動の実施を通した教訓を学ぶと共に、SHEPゲームを通して楽しみながらSHEP実践のTipsを学びました。2日目は、参加型ベースライン調査と市場調査実施方法を学び、ブータンの状況に適したベースライン調査の質問票について話し合いました。生産コストの計算は、カウンターパートにとって良い頭の体操になったようです。3日目は、近くのマーケットに出向き市場調査の演習を行い、その結果分析を行いました。ワークショップの最後には、「ビジネスとしての農業」の実践におけるジェンダー啓発の重要性を学びました。男女に分かれたジェンダー演習で実施したDaily Activity Calendarは一番の盛り上がりを見せ、ブータンでは農繁期の男性農家が早朝から深夜まで農作業を行っていることがわかりました。

元研修員のUgyenさんとTashiさんは、自身のアクションプランの実践を通して、SHEPアプローチへの理解を深めており、同僚たちに分かり易い発表を行い、身近で実践できる手法として紹介しました。3日間のワークショップに参加したカウンターパートは、「ブータンでは、多くの農家がマーケッティングの課題を抱えている。SHEPアプローチは、その様な農家を救うアプローチだ。」と実感したようです。今後、ブータンでの「SHEPアプローチ」が小さくも着実に実践されることを期待します。

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SHEPパイロット活動の進捗と教訓を発表するTashiさん

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SHEPゲームに真剣に取り組むカウンターパート達と見守るUgyenさん

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ベースライン調査の質問票について話し合うカウンターパート

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生産コスト計算の様子

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近隣のマーケットでの市場調査演習の様子(ブロッコリー)

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近隣のマーケットでの市場調査演習の様子(ジャガイモ)

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男女別に実施したジェンダー演習の様子(女性グループ)

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男女別に実施したジェンダー演習の様子(男性グループ)