2019年8月29日
プロジェクト事務室では、日本の介護に関する書籍や物品を収集しています。
「中国で日本製の紙おむつが大人気に」といった報道を目にされたことがある方も多いでしょう。多くの場合、ここで言われる「紙おむつ」は、ベビー用品の紙おむつのことです。一方、中国における大人用紙おむつは、介護用品販売店の店頭などで徐々に見られるようになってきました。中国社会の急激な高齢化、中国人消費者の品質への要求の高まりが背景にあり、日系企業が販売する大人用紙おむつの市場規模はこれから更なる拡大に向かうと思われます。
今回、大王(南通)生活用品有限公司よりプロジェクト事務室あてに、日本から輸入されたテープ止めタイプ、中国国産テープ止めタイプ、夜用の尿とりパッドの3種類のサンプルをいただきました。国内研修などの場面で、実際に中国の介護関係者に直接手に取ってもらい、その違いや実用性を体感してもらう予定です。
大人用紙おむつで、日本と中国ではどのような違いがあるでしょうか。
大人用紙おむつには、テープ止めタイプ、パッドタイプ、パンツタイプ、フラットタイプなどがあります。日本ではパッドタイプが、中国ではテープ止めタイプが最も大きな構成比を占めています。中国の場合、朝昼夜を問わずテープ止めタイプを使うことが多く、日本では朝はテープ止めタイプ、昼は昼用パッド、夜は夜用パッドなど、時間帯に合わせた使い方をすることが多いそうです。日本のように異なるタイプのおむつを組み合わせることで、おむつ費用を抑制することもできます。
メーカーから見ると、日本では病院や施設が主要な販売チャンネルであるのに対し、中国では販売店が主要な販売チャンネルになっています。これは日本では介護保険3業態(特養・老健・療養型)において紙おむつ費用は施設が負担するため病院施設が一括仕入れするのに対し、中国では紙おむつは患者や入居者が自己負担で持ち込むため、という違いがあります。また、中国ではEコマースによる販売が既に30%を超え、今後もさらに拡大しそうです。
(注)本記事は大王(南通)生活用品有限公司より提供いただいた情報に基づき作成しました。