プロジェクト概要

プロジェクト名

(和)北部地域における持続的なコミュニティを基礎とした観光開発のためのメカニズム強化プロジェクト
(英)Project for Enhancing the Mechanism for Sustainable Community Based Tourism Development in the North Region

対象国名

ドミニカ共和国

署名日(実施合意)

2016年1月28日

プロジェクトサイト

ドミニカ共和国北部地域 14県(1. プエルト・プラタ県、2. サンチャゴ県、3. エスパイジャ県、4.モンテクリスティ県、5. サンチアゴ・ロドリゲス県、6. ダハボン県、7. バルベルデ県、8. ラ・ベガ県、9. モンセニョール・ノウエル県、10. マリア・トリニダッド・サンチェス県、11. エルマナス・ミラバル県、12. ドゥアルテ県、13. サンチェス・ラミレス県、14. サマナ県)

協力期間

2016年4月15日から2021年4月14日

相手国機関名

(和)観光省
(英)Ministry of Tourism

背景

ドミニカ共和国では、1960年代から観光産業を開発優先分野として、外資の直接投資による大型ビーチリゾート開発を積極的に実施してきました。同国の北部に位置するプエルト・プラタ県は、1970年代以降、開発優先地として開発が進められた代表的な観光地の一つですが、大型ビーチリゾートに依存した開発手法では、観光客の消費がホテル内で行われる結果、周辺地域の自然・文化資源が適切に利用されず、地域住民が利益を得る機会が非常に限られてしまうことが課題となっていました。こうした状況の下、「国家開発計画2030では、開発の4本柱の一つに「持続的な成長と環境に優しい生産体制を基盤とした革新的な経済」が掲げられ、この柱のもとで、観光産業の成長が謳われました。そして、この政策の下でドミニカ共和国政府は、官民のステークホルダーが連携し、地元の特性や資源を十分に活用することで地域の発展に結びつける持続的な観光振興への支援を2008年に日本に対して要請しました。これを受けてJICAは、2009年から2013年にかけて、「官民協力による豊かな観光地域づくりプロジェクト」(以下、「先行事業」という)をプエルト・プラタ県において実施しました。

先行事業により、プエルト・プラタ県においては、官民で構成された10市の地域力向上ユニットと呼ばれるグループが、各市における魅力を伝える観光商品やサービスを開発して地域ブランドを構築するとともに、それら地域力向上ユニットをまとめる連合組織として、地域力向上ユニットネットワークが設立されました。また、先行事業の実施期間中に実践された観光振興のアプローチや事例を実施マニュアルとして取りまとめたガイドライン(案)を作成しました。さらに、中央政府レベルでは、観光省、職業訓練庁、経済企画開発省が、地域資源活用の視点を取り入れた観光開発の一層の推進に向けて三者間合意を形成するなど、積極的な取り組みが進められました。このように先行事業はプエルト・プラタ県をモデルとして、同国の官民の関係者が協力し、地域性を活かして観光振興を図るためのベースを構築しました。

一方で、同県の観光振興にあたっては更なるマーケティング・プロモーションが必要であるとともに、同県の観光振興モデルを他県に拡大していくにあたっての取組みも求められ、これらの状況を踏まえ、ドミニカ共和国政府は、同国の北西部4県(モンテクリスティ県、ダハボン県、サンチアゴ・ロドリゲス県、バルベルデ県)において先行事業の経験を基に、小規模な観光インフラ整備や地域資源を活用した観光振興に関わる活動を実施しています。また、同国内を東部、中北部、南部の3つの地域に分け、各地域の特性に合わせた観光資源を特定し、観光地を結びつけたルート・サーキットを形成する「観光ルート・サーキット計画」を策定する方針も示しました。これを受けて、プエルト・プラタ県や北西部4県の観光振興モデルの完成度を高め、それも活用しつつ上記5県が含まれる北部地域14県において官民参画(Public Private Participation:PPP)によるコミュニティベースドツーリズム(Community-Based Tourism:CBT)振興を図る「北部地域における持続的なコミュニティを基礎とした観光開発のためのメカニズム強化プロジェク」の実施が我が国に対して要請されました。

目標

上位目標

北部地域におけるCBTがドミニカ共和国の国内外からの訪問者への重要な観光アトラクションの一つとなる。

プロジェクト目標

北部地域においてPPPを通じた持続的なCBT開発を促進するためのキャパシティと調整メカニズムが強化される。

成果

1. 参加型手法の紹介・適用と、関係組織との協働を通じて、北部地域におけるCBTと地域資源の現状が診断される。
2. プエルト・プラタ県と北西部4県の事例をもとに、北部地域におけるCBTを推進するための戦略と計画が策定される。
3. 北部地域におけるCBTを推進するための地域レベル、ローカルレベルのアクションプランの活動が実施される。
4. 北部地域におけるCBT活動を促進するための体制が確立される。

活動

1. 北部地域におけるCBTの取り組みを促進するための中央政府機関と民間セクターによって構成された国家調整委員会National Coordination Table:NCT設立し、機能させる。
2. 7つ以上のPPPによるテリトリアル・グループが、CBTを調整し促進させるための仕組みとして組織され機能させる。
3. テリトリアル・グループにより、30品目以上のCBTの新商品とサービスが旅行者向けに開発、宣伝、販売する。
4. 複数のCBT観光地を結ぶ観光ルートが5つ以上開発し、宣伝する。

投入

日本側投入

1. 専門家の派遣(計110M/M)

地域観光開発、コミュニティ開発、観光商品開発、マーケティング/プロモーション、組織間連携、人材育成、業務調整

2. 研修

CBT開発、マーケティング/プロモーション、観光商品開発

相手国側投入

1. カウンターパートの配置

MITURの大臣がプロジェクトディレクターとしてプロジェクト全体の指揮を執り、プロジェクトマネジャーなどを配置。
中央レベルのプロジェクトマネジャー
北部地域レベルのプロジェクトマネジャー

2. オフィススペース

サント・ドミンゴ、プエルト・プラタ