職業訓練を通してコンゴ民主共和国の平和に貢献する

2022年4月30日

アフリカ大陸で2番目に大きな面積を持つコンゴ民主共和国。雄大で圧倒的な水量を誇るコンゴ川、肥沃な土壌、豊富な地下資源と、世界でも稀に見る高いポテンシャルを有しています。2000年代前半に民主化しましたが、一部地域では今も紛争が続いています。国民の7割以上が1日1.9ドル以下の収入(世銀,2018年)での生活を強いられているものの、首都キンシャサでは1000万を超えるキンシャサ市民が、様々な困難にもめげずに、日々力強く生きている姿を見ることができます。

「職業訓練」は、紛争の根本的な要因である貧困・格差を改善しつつ、普段接する機会の少ない社会的グループ間の交流を促進し、長期的な平和構築への貢献を可能にします。JICAでは、2015年から2022年まで「国立職業訓練機構能力強化プロジェクト」(通称:SOLIDE)をコンゴ民主共和国国立職業訓練機構(仏:Institut National de Préparation Professionnelle , « 略称:INPP »)をカウンターパートとして実施しました。SOLIDEプロジェクトについては、こちらのページをご参照ください。

同プロジェクトは、職業訓練の質の維持・向上を図るため、PDCAサイクルに基づく「訓練管理サイクル」(日本で開発されたもの)の導入や、マスタートレーナー(指導員の指導員)への技術移転(対象分野:自動車整備、溶接、油圧空圧、自動制御、起業支援)、訓練生への就業起業支援体制導入、5S/カイゼンの導入等、大きな成果をもたらしました。これらの成果の更なる定着、INPPの組織能力強化に向け、2022年4月より「国立職業訓練機構能力強化プロジェクトフェーズ2」(通称:SOLIDE-2)が開始されました。

フェーズ2では、INPPの本部と9つの地方校(下記地図を参考)を対象に、INPPが将来的に日本人専門家など外部の協力がなくとも、フェーズ1で導入された訓練管理サイクルの実施・運営や、指導員の能力向上を通じて、産業界や労働市場から求められる訓練の質を、継続的に維持・向上させられるよう、組織運営能力の強化を支援します。また新しい産業分野における訓練開発手法の定着、ICTを使った新たな職業訓練の可能性、訓練修了生のエンプロイアビリティ向上に資する就業起業支援活動の試行など、INPPのイノベーション促進にも努めていきます。活動の詳細については、「プロジェクト概要」をご覧ください!

今後は本ウェブサイトを通じて、プロジェクトの活動や取り組みをご紹介してまいります。

【画像】コンゴ民主共和国国立職業訓練機構能力強化プロジェクトフェーズ2 対象位置図