【第23号】プロジェクトサイトの農家が条植えの効果を学びました。

2017年12月20日

マリアナとブルトにおいてプロジェクトが2期作目に実施した比較栽培を通じて、多くの支援対象農家が条植えの効果を学びました。

これまで多くの農家は条植えを行うことは多くの労力を必要とすると考えていましたが、比較栽培を通じて、ラインマーカーを使った条植えは紐を用いて行う従来の条植えのやり方よりも実用的で時間を節約できるということを知りました。

マリアナの農家はプロジェクトが最近実施した収量調査を通じて、「同じ広さの2つの圃場でも、条植えの圃場の収穫量は乱雑植えの圃場の収穫量よりも大きい。」という比較栽培の結果を知ることができました。ブルトの農家もまた条植えと乱雑植えの圃場における稲の生育の大きな違いを目の当たりにし、条植えによる稲は、化学肥料を使用しなくても乱雑植えのものよりも太くて大きくなることを知りました。

マリアナのライフン村の農家であるレオナルド氏(60歳)やラホメア村のエドゥアルド氏(60歳)によると、以前は条植えを行うために人を雇用する必要があり、多くの費用がかかると考えていましたが、比較栽培を体験することによって、条植えは多くの労力を必要とせず、家族のメンバーだけでも行うことができることや比較栽培で使用する手押し除草機やラインマーカーは思った以上に実用的で軽く使いやすいことを知りました。

ブルトのベマッセ・タシの農家であるエリアス氏(41歳)はこれまで稲は化学肥料を使用しないと十分に生育しないと考えていましたが、比較栽培を通じて、規則的な稲の管理こそがよい収穫結果を生むことを知りました。

またエリアス氏は比較栽培を通じて条植えの稲は乱雑植えのものよりも早く豊かに生育することや適切な水量調節と除草によって無駄なコストを削減できることも学びました。

小田島成良プロジェクト専門家(稲作技術)は、「比較栽培を通じて、農家の条植えに対する考え方が徐々に変わってきて、多くの農家が条植えの効果を実際に知ることができました。今後もプロジェクトは、比較栽培を通じてできるだけ多くの農家が条植えの有効性を学ぶことができるよう技術支援を行っていく予定です。」と語りました。

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ブルトにおける比較栽培の様子。

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マリアナにおける比較栽培の様子。

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比較栽培の圃場で収穫作業を行う農家。

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プロジェクトによる収量調査に立ち会う農家。

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マリアナにおける雨季作前の農作業の様子1。

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マリアナにおける雨季作前の農作業の様子2。