コロナ禍におけるオンラインによる国際ビジネス人文学部への協力

2021年2月8日

コロナ禍でエジプトへの本邦教員の渡航が制限されるなか、E-JUST国際ビジネス・人文学部(FIBH)においては、本邦協力大学からオンラインによる途切れない協力が続けられています。

立命館アジア太平洋大学 アカラデシルンスリー・パジャリー先生による『経営学原論』の授業

パジャリー先生(国際経営学部 准教授)には、国際ビジネス人文学部との共同講義の活動として『経営学原論』の授業をオンラインで実施していただきました。

『経営学原論』(1年生)の授業は、学期の前半部分をFIBHのアフメド・ラガ先生が担当し、学期の後半部分をパジャリー先生が担当されました。

パジャリー先生は、日本の企業や組織で実践されたユニークな採用活動の事例を紹介するなど、日本の事例を意識的に取り入れた講義を実施して下さいました。各授業で学生に課されたグループでの課題や授業内の活動も大変好評でした。

授業後に学生に実施した授業評価では「日本とエジプトの経営に関する考え方の違いを学ぶことが出来ました。また、困難な状況のなかで多くを伝えてくれたお二人の先生に感謝致します」といったコメントを書く学生もおり、オンラインという制限のある環境でもお二人の先生の熱意が伝わった様子がうかがえました。

授業に加えて、パジャリー先生は、教員向けに“Active Teaching and Learning”と題するウェビナーを実施し、受講生が多い大教室の授業やオンラインなどの制限のある環境であっても学習者の参加意欲を高めアクティブ・ラーニングを実現するための具体的な工夫を紹介していただきました。質疑応答では、学生の活動・実践と講義の最適な割合についてなどの質問が飛び交い活発な意見交換が行われました。

立命館アジア太平洋大学 ハイダー・アリ先生による『国際組織行動論』の授業

ハイダー先生(国際経営学部、教授)には、国際ビジネス人文学部との共同講義の活動として『国際組織行動論』(2年生)の授業をオンラインで実施していただきました。

『国際組織行動論』の授業は、学期の前半部分をFIBHのアフメド・サリーム先生が担当し、学期の後半部分をハイダー先生が担当されました。

ハイダー先生は、組織のなかの「権力」、「政治」、「コンフリクト」、「文化」などのトピックを取り上げ、そのなかで日本の事例も紹介するなど、E-JUSTの学生に向けた内容で講義をして下さいました。

授業後に学生に実施した授業評価では、「コンフリクト、ネゴシエーション、チームワーク、モチベーションなどは、日常生活でも必須となる概念について学ぶことが出来た」といったコメントを書く学生もおり、学術的な内容でありながらも実践との関連が学生に伝わっていることがうかがえました。

授業に加えて、ハイダー先生は、全学生に向けて“Study skills and academic writing”と題するウェビナーを実施して下さり、読む力、書く力は、生涯を通じて学ぶ必要があり、職業生活でも必要となってくるスキルであることを学生に向けて語られました。2017年に入学したFIBHの第1期の学生は、現在、エジプトの国立大学では一般的には必須とされていない卒業研究プロジェクトに取り組んでおり、本ウェビナーには、卒業研究プロジェクトに取り組んでいる学生や指導に当たっている教員が多く参加しました。

このように本プロジェクトは、E-JUSTの国際ビジネス・人文学部が、自立的に日本の大学と協力関係のもとにユニークかつ質の高い教育を提供することを目指して、科目共同講義やプログラム運営などの支援を実施しています。

【画像】パジャリー先生のウェビナーの様子

【画像】ハイダー先生の講義の様子