国際教養大学 石川薫先生によるリベラルアーツ・カルチャーセンター公開講義

2022年2月2日

2022年2月1日(火)からリベラルアーツ・カルチャーセンター公開講義シリーズが開始しました。

E-JUSTリベラルアーツ・カルチャーセンター(Liberal Arts and Culture Center:LACC)は、2017年のE-JUST学部開設以来、E-JUSTの学部・大学院におけるリベラルアーツ教育に取り組んでおります。

2022年、4周年を迎えるにあたり、再度リベラルアーツ教育の学内・学外での理解浸透を目的として、エジプトに所縁のある各分野の専門家の方をお招きし、ご講演をいただくとともに、今後のLACCの活動の発展、日本の高等教育関係者とエジプトの高等教育関係者の交流の契機としてリベラルアーツ・カルチャーセンター公開講義シリーズが企画されました。

シリーズの第1回目では、国際教養大学 石川薫先生(客員教授、元エジプト大使)をお招きし、“Human Security:Japanese Experiences”と題して、ご講演を戴きました。

石川先生は、2009年にE-JUST設立に際してエジプト政府と日本政府の間で締結された二国間協定締結時にエジプト大使を務められており、E-JUST設立当時のエピソードを振り返りながら、「人間の安全保障」に関する日本の開発・発展の経験をエジプト・日本の両国からの参加者にご講演いただきました。

ご講演の最後には、E-JUST学生に向けて、「人は城,人は石垣,人は堀」と武田信玄の言葉を引用しながら、E-JUSTの学生は、国家の真の力、宝、富になることが出来るとエールを送られました。またE-JUSTの基本コンセプトである「科学技術」に誇りを持って欲しいと伝えられ、一方で、「科学技術」とともに象牙の塔に閉じこもることなく汗や機械油にまみれ、身に付けた「科学技術」を開花させて欲しいという期待を示されました。

さらに、卒業生は、グローバル化した世界で国際競争にさらされるという厳しい現実を強調し、そうした環境で、生き残るためには世界についての知識を深める必要があり、人文科学、社会科学を疎かにしてはいけないというメッセージでご講演を締め括られました。

ご講演には、E-JUSTゴハリ学長をはじめとしたE-JUSTの教職員、学生のほか、E-JUST創設時にエジプト高等教育大臣を務められたハニー・ヒラール氏(現カイロ大学教授)が参加し、本邦の大学関係者とともに、LACCセンター長ハムザ教授の司会のもと、ご講演後の対話セッションも活発になされました。

このように本プロジェクトでは、LACCによるリベラルアーツ教育の全学体制での導入を目標に掲げ、E-JUSTが創造性に富んだ教育・研究環境を提供し、エジプト国内トップレベルの研究大学として発展するように支援しています。

【画像】LACC公開講義の様子1;上から石川先生、ハムザ教授、ハニー・ヒラール氏、ゴハリ学長

【画像】LACC公開講義の様子2;「人間の安全保障」の基本構成要素について説明する石川先生

【画像】LACC公開講義の様子3;1964年に日本は、東京オリンピックを開催し、日本が平和を愛する国であることを世界に示したことを説明する石川先生