小中学校教員による第1回学期間学び合い実施

2019年5月9日

5月3日から8日にかけて小学校教員及び中学校数学教員による振り返り活動が全国およそ3万名の教員の参加のもと実施されました。同活動は今年全国配布された教科書、練習帳、教師用指導書の導入研修のフォローアップの一環で、主に1学期のテスト結果の分析、次学期の学習内容の確認、年間指導計画の修正、その他教材使用上の課題やグッドプラクティスの共有が扱われました。今回の実施に際しては、プロジェクト終了後の持続性に鑑み、プロジェクトのカウンターパートが中心となって、昨年の経験を踏まえて内容を策定し、使用資料を作成し、自ら各県と調整のうえ、各県ファシリテーターに伝達研修を施して準備してきました。

第1回目の振り返りかつ教材使用初めの3カ月ということで、使用上の困難を抱えている教員もおり、例えば授業進度が遅れていること、45分内で授業が終わらないこと、テストと評価の関係、子どもの理解が十分でないのに授業を進めてよいのかといったジレンマ、複式学級での使用方法などが課題として取り扱われました。ある程度プロジェクトで想定していた問題で、複式学級に対する具体的な指示や授業進度の遅れに対する年間指導計画の修正や扱いを軽くしてもよい内容などを提示するなどを事前に準備していましたが、子どもの理解が十分でないのに授業を進めてよいのかという課題については、認識にばらつきがあり、ファシリテータ-によって回答にもばらつきが出てしまいました。これまで4回の教員振り返り活動を重ね、よく直面する課題についてはある程度把握できましたので、今回の反省を踏まえ、よくある質問の回答集などを作成し対応する予定です。

先に課題を上げましたが、今回は多くの教員が非常にポジティブに振り返り活動に取り組み、「このテスト結果が悪かったけど、あなたはどのように教えた?」と他の教員に質問したり、次学期の内容について「この内容に自信がないんだけど、教えてくれる?」と依頼したりする姿が多くみられました。また、「複式ではこのように使用している。」、「基礎知識が足りない場合はこのようにしてる。」といったグッドプラクティスを共有する教員も多く、エルサルバドル教員・ファシリテータ-のポテンシャルに驚かされる教員振り返り活動となりました。

【画像】

プロジェクトで作成中の動画教材を見ながら教材研究する教員もいました。カバーニャス県教員

【画像】

割り算の複雑な計算について教師用指導書で確認する様子。モラサン県教員