ファシリテーション研修会の実施

2019年7月4日

2019年7月3、4日

本プロジェクトでは、これまで集落開発計画を作成するための研修会を複数回にわたり実施してきました。今回は、パイロット市6市の社会開発普及員、カウンターパート(FISDL職員)、JICA専門家総勢30名の参加の下、プロジェクトマネージャーであるFISDL社会開発部地方開発課アルヘンティーナ課長によるファシリテーション研修会を実施しました。

研修会の内容は以下の通りです。

1. ワークショップは何のために行うのか。ワークショップの最初のアイスブレーキングはなぜ行うのかを実践を通じて習得する。

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アイスブレーキングの訓練の様子

2. 参加者それぞれが、このワークショップにどのような懸念を抱いており、どうなることを期待しているのかをグループワークにて話し合い、絵を描くグループ、歌を歌うグループ、詩を作るグループ、演劇をするグループとそれぞれに異なる表現方法にて発表。ここでは参加者の緊張感や恐れをなくし、一人一人が発言すること、楽しい気分で参加し、グループワークを円滑に進める手法を学ぶ。

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テーマを絵を描いて発表するグループ

3. 「人は実践から学ぶ素晴らしい能力がある」ことを理解するため、参加者それぞれが祖父母や両親から聞いてきたことわざを書き、そのことわざの意味を別の人が解説する。これにより人それぞれ解釈が違うこと、コミュニティには知恵があること、眠っている知恵や経験を目覚めさせることの重要性を考える。

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カードに書かれたことわざを一人一人説明する様子

4. コミュニティの人々に眠っている知識と創造性を呼び起こすためには、どのように歩み寄り、感じ取る必要があるのか。実際にコミュニケーションをとる訓練を実施。集落住民の話に耳を傾ける、人々の持っている知識を尊重する、行動を共にする、集落の現在の状況を知る、子供たちとも信頼関係を築くことが大事であるなど様々なコミュニケーション手法を学習する。

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集落住民に寄り添うコミュニケーション手法の訓練

5. 1~4まで学んできたことを復習するため、コミュニティで実施するのワークショップを想定し、実演を通じたテクニックを身に付ける。

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ワークショップの実演

6. ファシリテーターとして、どのような準備や心構えが必要かを考える。

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解説するアルヘンティーナ課長(FISDL)

7. 二日間の研修会において、1)研修会開始時に感じていたこと2)途中に感じたこと3)研修会を通じて発見したこと4)役立つこと5)ワークショップの中で起きた一番重要なこと6)ワークショップの中で自分が聞いた1番重要なこと7)自分はこれから何をするのか、の7つのテーマ毎に対面で1対1で“話をする”、“話を聞く”という訓練を通し、傾聴力を習得する。

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対面で話を聞く様子

この2日間の研修会を通じて、集落の人々とのコミュニケーションスキル、ワークショップの場を創造するデザインスキル、聞いたことを分析し表現するフレームワークスキルなどファシリテーターにとって重要なスキルを習得することができました。最後は、社会開発普及員らは自信を持ち、目も輝き、やる気に満ち溢れていました。彼らの今後の活動と成長がとても楽しみです。

【画像】研修会を終えて参加者全員で集合写真