プロジェクト終了時評価と第3回合同調整委員会-プロジェクトを終了させるために必要なこと-

2022年9月13日

8月22日から9月13日にかけて、プロジェクトの終了時評価調査が実施されました。この調査目的は、以下の3点です。

1)これまでのプロジェクト活動の実績、実施プロセスをエルサルバドル側との合同評価で検証する。
2)検証・分析結果を踏まえ、プロジェクト及びエルサルバドル側関係者に対し必要な提言を行う。
3)合同評価文書をエルサルバドル側と協議の上作成し、JCCを開催して協議議事録(M/M)にて確認する。

日本側は、JICA本部から地方行政分野の専門員、経済開発部の案件担当、評価分析担当のコンサルタント、そしてメキシコから通訳の4名が派遣され、エルサルバドル側から地方開発省の技官2名、国際協力庁から技官1名が参加し、合同評価調査団が設置されました。

調査は、8月22日から31日にかけては、対象12市において、市役所の市長・助役・技術チーム、そして市及び集落リーダーらに対するインタビュー調査を行いました。9月7・8日には、プロジェクトの第3回半期評価会が開催され、プロジェクト活動の進捗確認や、プロジェクト終了後までに取り組むべき措置や対応について意見交換を行いました。その後、合同評価団により終了時評価調査報告書が作成されました。

報告書では、プロジェクトが構築・実証した社会開発モデルは、日本の生活改善アプローチをベースにエルサルバドルの状況に最適化する形で開発されたものであり、非常に限られた予算しか持たないエルサルの自治体と、もとより資金的余裕のない住民の置かれた環境に非常に適したアプローチであったと、その有効性について高い評価を得ました。また、プロジェクトの取り組みは、具体的な成功体験を積み重ねて、住民とリーダーらの意識の変革に結実したと評価されました。一方、プロジェクト終了までに、時間は残されているものの、集落開発計画→組織間連携会議→市民会議→市民憲章→市開発計画という一連のプロセスが達成していない市が多く残っていることが課題として挙げられました。そして、持続性という観点では、中央政府として地方開発省(MINDEL)の存在は重要であるものの、その役割が不明確となっていることが懸案とされ、持続性を高めるための取組が求められました。また、経済協力開発機構(OECD)の開発援助委員会(DAC)の6項目評価に基づく5段階評価(1)高い 2)やや高い 3)中程度 4)やや低い 5)低い)を実施しました。その結果、妥当性が中程度、整合性が高い、有効性が高い、効率性が中程度、インパクトが高い、持続性が中程度と、評価されました。

合同評価調査最終日の9月13日には、合同調整委員会(JCC)が開催され、終了時評価が発表され、提言や結論が確認されました。最後にJICAの下田専門員・評価団長とナバレッテ地方開発省大臣との間で、協議議事録が署名され、終了時評価を終えました。

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集落リーダーへのインタビューを実施。(カカオペラ市)

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市役所職員に対してインタビューを実施。

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合同評価メンバーが協議。

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合同評価文書を確認し、協議議事録(M/M)に署名。