プロジェクト概要

プロジェクト名

(和)みんなの学校:コミュニティ参加型学習改善支援プロジェクト
(英)“Project for Improving Learning Outcomes through Community Participation for Sustainable School for All”(COMPASS)

対象国名

ガーナ共和国

署名日(実施合意)

2019年11月14日

協力期間

2020年3月17日から2024年3月16日

相手国機関名

(和)ガーナ教育省、ガーナ教育サービス
(英)Ministry of Education, Ghana Education Service

背景

ガーナでは、初等教育の純就学率が89.3%(2017年)まで到達するなど着実に教育の量的拡大を遂げている一方で、子どもの学習成果の改善については依然重大な課題として残っている。ガーナ政府は、「ガーナ中期国家開発政策(2018-2021)」において、社会開発(産業化を担う人材育成)を主要政策の一つに位置付けている。また、2018年に改定された「教育戦略計画」(Education Strategic Plan:ESP2018-2030)では、政策目標の一つに「教育マネジメントの改善」を掲げ、学校レベルの教育マネジメントの改善にはコミュニティのより生産的な参画が必要としている。同国では教育サービスの実施運営を地方へ移譲していく地方分権化の方向性が2008年の教育法に明記されたことを契機として、地方分権化に即した郡・学校レベルの教育マネジメントの強化が求められている。以上を踏まえ、本事業は、脆弱な教育行財政のなかでコミュニティ参加型の学校運営の改善を通じて、子どもの学習成果の改善を目指すものである。

目標

上位目標

他州において、コミュニティと学校の協働を通じて初等レベルの子どもの学習成果の改善に資するモデルが普及される。

プロジェクト目標

対象州において、コミュニティと学校の協働を通じて初等レベルの子どもの学習成果の改善に資するモデルを普及展開する準備が整う。

成果

1.参加型学校運営と学校・コミュニティ関係者間の情報共有メカニズムが改善される。
2.初等算数の子どもの学習成果が改善される。
3.郡と学校間のSMCモニタリングシステムが強化される。
4.モデルの普及可能性向上のための改善サイクルが実施される。

活動

成果1に係る活動

1-1.教育省及びガーナ教育サービス(GES)関係者を対象に、コミュニティ参加型学校運営を通じた学習成果改善活動にかかる経験共有セミナーを開催する。
1-2.学校運営委員会(SMC)の民主的設立、学校活動計画(SPIP)作成、財務管理及び自己モニタリング・評価の活動枠組み(実施手順と研修マニュアル)を策定する。
1-3.州・郡教育事務所関係者を対象に、SMCの民主的設立に関する講師研修を実施する。
1-4.校長を対象に、SMCの民主的設立に関する研修を実施する。
1-5.州・郡教育事務所関係者を対象に、学習の質に焦点を当てたSPIP策定、財務管理及び自己モニタリング・評価に関する講師研修を実施する。
1-6.校長及びSMC関係者を対象に、学習の質に焦点を当てたSPIP策定、財務管理及び自己モニタリング・評価に関する研修を実施する。
1-7.教育のアクセス、質、ガバナンスの向上を目指した郡教育フォーラムを実施する。

成果2に係る活動

2-1.SMCが支援する初等算数の学習成果の改善に直接効果のある活動にかかる枠組み(実施手順と研修マニュアル)を策定する。
2-2.教材を作成する。
2-3.ベースライン調査を実施する。
2-4.州・郡教育事務所関係者を対象に、補習活動を含む学習成果の改善に直接効果のある活動の実施にかかる講師研修を実施する。
2-5.校長及び学習支援者を対象に、補習活動を含む学習成果改善活動の実施にかかる研修を実施する。
2-6.エンドライン調査を実施し、活動の成果をとりまとめる。

成果3に係る活動

3-1.郡レベルのSMCモニタリングの枠組み(実施手順と研修マニュアル)を策定する。
3-2.郡教育事務所を対象に、SMCモニタリング(モニタリングの仕組み、実施手順・ツール、技術助言の提供)に関する研修を実施する。
3-3.SMCの連合構築にかかる枠組み(実施手順と研修マニュアル)を策定する。
3-4.SMCの連合構築を担当する執行部を対象に、SMCのネットワーク構築にかかる講師研修を実施する。
3-5.SMC代表者を対象に、SMCの連合を活用した定期会合にかかる研修を実施する。

成果4に係る活動

4-1.第1対象州の経験・教訓を取りまとめる。
4-2.第1対象州の経験共有及びプロジェクトのモデル改良を目的としたワークショップを実施する。
4-3.第2対象州にて、成果1、成果2、成果3の活動を実施する。
4-4.参加型学校運営を通じた学習成果の改善モデルの普及可能性にかかる評価を実施する。
4-5.コミュニティと学校の協働を通じて初等レベルの子どもの学習成果の改善に資するモデルの承認にかかるワークショップを実施する。

投入

日本側投入

1.専門家派遣
2.機材供与:車両、コンピューター、プリンター等
3.第三国研修及び本邦研修(必要に応じて):住民参加型学校運営に関す
る分野等
4.ローカルコスト:プロジェクトスタッフの雇用、調査・研修委託等

相手国側投入

1.GESにプロジェクト実施チーム(Project Operation Team)を設置
2.教育省・GES内のプロジェクトオフィスの提供
3.教育省・GESによるプロジェクト運営に係るローカルコスト(プロジェクトオフィス運営・維持管理費等)