種子生産ワークショップを開催しました

2022年5月31日

ガーナ稲作生産性向上プロジェクト(Ghana Rice Production Improvement Project:GRIP)では、稲作生産性を向上させるだけでなく、稲作農家の生活が向上することも重要と考えています。農家の収入向上を達成するためには、高い値段で売ることのできる品質の高い米を作る必要があり、高い品質の米を作るためには優良な種子が重要な役割を果たします。
この目的で、日本のみならず国際機関でも米の育種・種子生産に携わって来られた池田良一専門家がガーナに来訪しました。池田専門家はプロジェクトチームとともにガーナにおける種子生産の現状を調査した後、灌漑地区にてワークショップを開催し、調査結果の報告と種子生産の重要性を伝えました。

今回のワークショップには、食糧農業省関係者や、育種研究者、種子検査機関の職員、民間企業、種子生産農家、灌漑地区の管理運営を行う灌漑開発公社職員などの多様な関係者が参加し、池田専門家の経験に裏付けられた熱のこもった発表に参加者が圧倒されていた様子が印象的でした。
ガーナ政府は現在国内消費の約60パーセントを輸入米に頼っている現状を、2024年に全て国産米で賄うという壮大な計画を持っています。その流れでガーナ政府は2024年までに保証種子(一定の品質検査に合格した優良な種子)24,000トンを生産することを目標としています。理論上その生産に必要となる一番上流の種子(育種家種子と言われるもの)を確保するために必要な最良個体(稲穂)の数は5本だそうです。わずか5本の稲穂が24,000トンの保証種子に繋がり、さらにこの国の稲作の生産性と品質を向上させる過程を想像すると夢が膨らみます。
我々GRIPの5人の専門家も、それが実現する日を夢見て、そのために自分達で何が出来るのかを考えながら日々プロジェクトに携わっています。

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食糧農業省作物サービス局アコト局長の開会の挨拶

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GRIPの説明をする大泉総括

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種子生産農家の紹介

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熱の入った池田先生(手前)の発表に席を立って聞く稲の育種家

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種子生産圃場見学で圃場の中に入って説明する池田先生(手前)

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種子生産圃場見学後の参加者の集合写真